文:濱矢文夫、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行
モトグッツィ「V85TT トラベル」各部装備・ディテール解説
フェイスデザイン
大径の丸型二灯LEDヘッドライトは、中央にモトグッツィのイーグルマークを配したデザイン。優れたウインドプロテクション性能を備える大型ツーリングウィンドスクリーン、大きなアップフェンダーと組み合わせられることで、印象的なフロントマスクを形造っている。
エンジン
排気量853cc、最高出力76HPを発揮するOHV2バルブの空冷Vツインエンジンは、シリンダーヘッドからクランクケースまで新設計。クランクケースをフレーム強度メンバーとして利用することを前提にデザインされていて、扱いやすい車体を実現している。
フロント 足まわり
倒立フロントフォークはインナーチューブ径Φ41mm、プリロードと伸側ダンパーの調整が可能。フロントのブレーキはΦ320mmローターにブレンボ製の4ピストンラジアルマウントキャリパーを装備、コンチネンタル製ABSシステムでコントロール。
リアサスペンション・ ブレーキ
アップマフラーを実現するため、スイングアームの左側は湾曲した形状で横方向への張り出しを抑えている。リアブレーキはΦ260mmローターに2ピストンキャリパー。ワイヤースポークホイールのサイズはフロント19インチ、リア17インチ。
ハンドル
快適なポジションを得られるように調整式のハンドルバーを装備。悪天候や寒さから手を保護するためにグリップガードも備えている。左側スイッチボックスには標準装備のクルーズコントロールのスイッチ、右側スイッチボックスにはトリップモードの切り替えスイッチを配置。
メーター
TFTカラー液晶を使用したコンパクトで視認性に優れたデジタルメーター。メーターとしての多彩な情報の表示が可能、さまざまな機能を操作することにも使用される。バックライトと色は、外部の環境に合わせて最適に調整できる。
燃料タンク
往年のパリダカを走っていたラリーレイドマシンのような、大きなサイズの燃料タンク。容量21L、約400kmという長大な航続距離を想定。単に容量を大きくしただけでなく、人間工学的なデザインでライダーとの一体感を重視、さらにフロントフォークやエンジンとの干渉を避けて複雑な形状となった。
シート
長距離走行やタンデムでの快適性はもちろん、オフロードでのスタンディングポジションにまで配慮して開発されたシート。シート高も830mmに抑え、車体各部のデザインと合わせて優れた足着き性を実現した。
テールまわり
フロントマスクに合わせた印象的な二眼デザインのテールランプ。光源はコンパクトなウインカーも含めてLEDだ。
パニアケース
標準装備のパニアケース。右側は容量37Lでフルフェイスヘルメットも収納可能で、左側も27.5Lという十分な積載性を確保。簡単に脱着することができ、メインキーを使用してロックも可能だ。装着時の左右幅も950mmとスリムで取り回しにも影響せず、専用デザインなので美しいスタイリングにもマッチする。
モトグッツィ「V85TT トラベル」主なスペックと価格
全長×全幅×全高 | 2240×950×1445mm |
ホイールベース | 1530mm |
シート高 | 830mm |
車両重量 | 210kg(乾燥・サイドパニアを除く) |
エンジン形式 | 空冷4ストOHV2バルブV型2気筒 |
総排気量 | 853cc |
ボア×ストローク | 84×77mm |
最高出力 | 59kW(80HP)/7750rpm |
最大トルク | 80Nm(8.15kg-m)/5000rpm |
燃料タンク容量 | 21L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 110/80-19・150/70-17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ320mmダブルディスク・Φ260mmディスク |
メーカー希望小売価格 | 159万5000円(消費税10%込) |
文:濱矢文夫、小松信夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行