下手な鉄砲、デジタルに限る!

レポートもお届けした全日本ロードレース第6戦・岡山大会ですが、中の人はカメラ持ってコースサイドにも出てるんで、雨の金曜は撮らなかったけど、土日でエラい枚数の写真を撮るわけです。
下手な鉄砲もナントカ、ってやつで、土曜~日曜にかけて、整理してみたら134GBのデータが残っていました。枚数にすると1万枚以上! スゴいすね、フィルム時代なら36枚撮りを250本以上使ってることになります。あ、あり得ない……。
ま、このうちちゃんと映ってるのは1割……1000枚? いやそんなにないな、5%、いや3%で300枚……こんなもんかな。下手な鉄砲、デジタルに限る(笑)

10月1日発売の月刊オートバイ11月号にも、この写真使ってレースの模様は掲載しますし、ここWebオートバイにも数枚使いましたもんね、数えてみたらレポート2本で30枚くらい。そーすると、膨大な数の「使われない写真」が誕生するわけで、レース後に写真整理していたら「あぁ、これ使いたかったな」「これもちゃんと映ってるじゃん」とかってことがあるわけですよ。
なので、今回は実験的企画として、未使用写真発掘「岡山大会あれこれ」っての、作ってみました。これ、1レースに集まるカメラマンさん、数十人みんな思ってることでしょうから、この場をオープンにして、露出の機会にしてみようかしらん。無論、ギャランティは発生しませんが、「この写真、どっかに使いたい!」ってご希望のカメラマンさん、最終戦オートポリスのメディアセンターでお待ちしています(笑)。

JP250チャンピオン 篠崎佐助はその時…

画像: チェッカーを受けてコースサイドに停車する篠崎。マーシャルさん、ヘルメットを脱がせてあげて、Tシャツ着るのを手伝ってあげて再出発。その前にこっちに気づいてひょいと目線をくれたサスケ、ありがと♪

チェッカーを受けてコースサイドに停車する篠崎。マーシャルさん、ヘルメットを脱がせてあげて、Tシャツ着るのを手伝ってあげて再出発。その前にこっちに気づいてひょいと目線をくれたサスケ、ありがと♪

岡山大会で、最終戦を残してJP250クラスのチャンピオンを獲得した篠崎佐助。チャンピオン決定レースは、ウィニングランでチャンピオンTシャツとか、チャンピオンフラッグがお約束ですが、レース前に篠崎のチーム「TEC2」のスタッフさんがコースマーシャルさんとなにやらひそひそ。
「あ、ここで渡すんだな」
そう、チャンピオンが決まったら、クールダウンラップでチャンピオンTシャツを渡す段取りをしていたんですね。歓喜のあまり、チームスタッフがコースに立ち入るのも危険だってことで、コースマーシャルさんが手渡すことに。
そして篠崎がクラス優勝でチェッカーを受けての2コーナー進入地点、スローダウンしてコースサイドに寄る篠崎。おめでとう!ってマーシャルさんがTシャツを渡すんですが、ヘルメットかぶってますからね、そのままじゃ着られない(笑) グローブもしてるから、ヘルメットも脱ぎにくくあたふたしてたら、マーシャルさん、まるでカノジョとタンデムしてる時みたいに「ホラあご上げてみ♡」みたいにストラップを緩めてあげて、優しくTシャツを着るのを手伝ってあげてました。
ひととおりTシャツを着終わって、チームスタッフさんの方を振り返ると私のカメラ。「あ!」ってかんじで軽く右手を上げて、篠崎はウィニングランに出かけていきましたとさ。

J-GP3 ベテランふたりの一騎打ち

画像: 集中するとまわりを寄せ付けないオーラをまとう尾野に、いつでもにこやかにまわりを気遣う小室。表彰台では、お互いの走りを称えるというより、ちょっと距離を置いての軽バチバチ。しかし尾野の走りは、トップを独走したことで、毎周のようにまったく同じラインを走って、まるで精密機械!

集中するとまわりを寄せ付けないオーラをまとう尾野に、いつでもにこやかにまわりを気遣う小室。表彰台では、お互いの走りを称えるというより、ちょっと距離を置いての軽バチバチ。しかし尾野の走りは、トップを独走したことで、毎周のようにまったく同じラインを走って、まるで精密機械!

この岡山大会でチャンピオンが決まる可能性もあったJ-GP3クラス。小室旭が尾野弘樹を21ポイントリードしてのレースだったため、このレースで4ポイント以上差をつければ小室のチャンピオンが確定するんです。小室1位=25pと尾野2位=20pならば5p差が加算されてチャンピオン決定、小室は小野に先着、間に誰か挟めばさらに……という戦前だったんです。
しかし、このウィークは尾野が絶好調で、事前テスト、フリー~公式予選とトップタイムを連発。決勝レースでも尾野がどんどん2番手以下を引き離しての独走で、鈴鹿大会に続いて2連勝、コースレコードを更新してのぶっちぎりで、小室は3位フィニッシュ。これで小室130p、尾野118pで最終戦へ。このふたりの実力で、普通に走って12p差をひっくり返すのは至難の業ですが、レースは何が起こるかわかりません。小室44歳、悲願の初メジャータイトル獲得なるか、尾野29歳、2013年のアジアドリームカップ以来のメジャータイトル獲得なるか!

MuSASHi RT ハルクプロホンダの雄姿、あと1レース!

画像: 13年間も全日本ロードレースのパドックを彩ってくれたチーム634。メインスポンサーを務めてくれたことへの恩返しの加算に、名越は中須賀→清成という大ベテランに続く堂々の3位表彰台を獲得!ツナギの胸部分を見てください、チーム名の刺繍がこすれ落ちるほど、胸でマシンを抑え込んで走るんです。

13年間も全日本ロードレースのパドックを彩ってくれたチーム634。メインスポンサーを務めてくれたことへの恩返しの加算に、名越は中須賀→清成という大ベテランに続く堂々の3位表彰台を獲得!ツナギの胸部分を見てください、チーム名の刺繍がこすれ落ちるほど、胸でマシンを抑え込んで走るんです。 

レース前に発表があったとおり、長くハルクプロのメインスポンサーを務めてきた「武蔵精密工業」が、今シーズン限りでスポンサーを降りる、と。2009年から13年間、ハルクプロのマシンはゼッケン634(=ム・サ・シ)をつけて全日本ロードレースのトップチームとして、高橋巧がJSB1000のタイトルを獲ったり、鈴鹿8耐に優勝したりと、数々の名シーンを作って来てくれましたね。
その発表から初レース、JSB1000クラスの名越哲平、ST600クラスの埜口遥希は、なんとかいい成績で武蔵精機さんへの恩返しを積み重ねたかったのでしょう。JSB1000クラスの名越は鈴鹿大会に続く表彰台を獲得し、ST600の埜口は筑波大会に続く優勝で、逆転ランキングトップに立ちました!

画像: 埜口のウィニングラン。岡山国際の下りリボルバーコーナーを左折して各方向の観客席のファン、コースマーシャルさんに手を振ると「ん?」とこちらのカメラに気づいてカメラ目線でナンバー1ポーズ! ありがと、はるき。この写真、本人に送ったらちょっと喜んでくれました♪

埜口のウィニングラン。岡山国際の下りリボルバーコーナーを左折して各方向の観客席のファン、コースマーシャルさんに手を振ると「ん?」とこちらのカメラに気づいてカメラ目線でナンバー1ポーズ! ありがと、はるき。この写真、本人に送ったらちょっと喜んでくれました♪

恐るべき1000ccモンスターマシンコントロール

画像: (左上)新設された2コーナーシケインをクリアする中須賀は、毎周のようにフロントタイヤをふわりと浮かせて加速。ここでフロントが上がるライダーは多かったんですが、中須賀のリフト量は図ったように5cmくらいで一定。高度な電子制御がなせる業なのです (右上)またも中須賀に敗れ、2位となった清成。2位でもスゴいことなんだけど、満足はしませんよね。「いろいろセッティングを決めてできることはやったんだけど、追いつけなかった。あとは減量でもするしかないです・笑」(清成)写真は最終コーナーへの飛び込みですが、撮影地点と距離が近いせいか、ドドドドド迫力! 進入スピードは、清成のCBR1000RR-Rが、この日いちばん速かったような気がしました (左下)バックストレートエンドのヘアピン進入ハードブレーキで、あまりの減速Gにマシンが耐え切れず横を向く、ってシーンが見られる岡山国際。中でもスライドの量を最小限にして、カウンター当ててキレーに進入していたのがST1000クラスの長谷川聖。一般ライダーから見たら神業マシンコントロール! (右下)今回、走りが光ったのはST1000クラス、EWC出場の高橋裕紀の代役で参戦する伊藤和輝。長身でマシンをぶんぶん振り回しての4位入賞は大健闘!……と思ったら、黄旗提示中のバックマーカー追い越しのペナルティで11位フィニッシュ。ちょっと伊藤、注目したい勢いでした。

(左上)新設された2コーナーシケインをクリアする中須賀は、毎周のようにフロントタイヤをふわりと浮かせて加速。ここでフロントが上がるライダーは多かったんですが、中須賀のリフト量は図ったように5cmくらいで一定。高度な電子制御がなせる業なのです 
(右上)またも中須賀に敗れ、2位となった清成。2位でもスゴいことなんだけど、満足はしませんよね。「いろいろセッティングを決めてできることはやったんだけど、追いつけなかった。あとは減量でもするしかないです・笑」(清成)写真は最終コーナーへの飛び込みですが、撮影地点と距離が近いせいか、ドドドドド迫力! 進入スピードは、清成のCBR1000RR-Rが、この日いちばん速かったような気がしました
(左下)バックストレートエンドのヘアピン進入ハードブレーキで、あまりの減速Gにマシンが耐え切れず横を向く、ってシーンが見られる岡山国際。中でもスライドの量を最小限にして、カウンター当ててキレーに進入していたのがST1000クラスの長谷川聖。一般ライダーから見たら神業マシンコントロール!
(右下)今回、走りが光ったのはST1000クラス、EWC出場の高橋裕紀の代役で参戦する伊藤和輝。長身でマシンをぶんぶん振り回しての4位入賞は大健闘!……と思ったら、黄旗提示中のバックマーカー追い越しのペナルティで11位フィニッシュ。ちょっと伊藤、注目したい勢いでした。

ヒリヒリとニコニコ グリッドあれこれ

画像: (左上)そっと向けたカメラに気づいてスタッフをライダーに集合させると、サッと撮らざるを得ない隊列を作ってみせたキジマKISSレーシングチーム(笑) ライダー鈴木悠大はランキングトップで最終戦へ (右上)ST600タイトル争いをするはずが予選14番手と沈んでしまった荒川晃大。とはいえ、決勝では恐るべきペースでの追い上げを見せ、6位までポジションを上げてフィニッシュ!ランキング2位で最終戦へ (左下)小室旭の最後の花道に、と結成したSunnyMotoプランニング 仲間がみんな手伝ってくれてチームを作ってくれてコースに送り出してくれる--とチームへの感謝を人一倍忘れない小室。チャンピオン獲得をチームのみんなにプレゼントしたい気持ちが強いのですね (右下)ほんの数時間前に自分のレースを終えた長谷川聖(写真右)は、チームのボス、ユッキーのグリッド傘持ちへ 47歳の加賀山は、驚異の予選4番手から、レース中ずっと25歳の亀井雄大のプッシュを抑え込んで5位フィニッシュ! 中須賀が優勝、2位から8位まで全部ホンダCBR勢というなか、GSX-Rで5位に割って入ったのはスゴいとしか言いようがない! クアルタラロをロッシが抑えきるようなものです!違うか~

(左上)そっと向けたカメラに気づいてスタッフをライダーに集合させると、サッと撮らざるを得ない隊列を作ってみせたキジマKISSレーシングチーム(笑) ライダー鈴木悠大はランキングトップで最終戦へ
(右上)ST600タイトル争いをするはずが予選14番手と沈んでしまった荒川晃大。とはいえ、決勝では恐るべきペースでの追い上げを見せ、6位までポジションを上げてフィニッシュ!ランキング2位で最終戦へ
(左下)小室旭の最後の花道に、と結成したSunnyMotoプランニング 仲間がみんな手伝ってくれてチームを作ってくれてコースに送り出してくれる--とチームへの感謝を人一倍忘れない小室。チャンピオン獲得をチームのみんなにプレゼントしたい気持ちが強いのですね
(右下)ほんの数時間前に自分のレースを終えた長谷川聖(写真右)は、チームのボス、ユッキーのグリッド傘持ちへ 47歳の加賀山は、驚異の予選4番手から、レース中ずっと25歳の亀井雄大のプッシュを抑え込んで5位フィニッシュ! 中須賀が優勝、2位から8位まで全部ホンダCBR勢というなか、GSX-Rで5位に割って入ったのはスゴいとしか言いようがない! クアルタラロをロッシが抑えきるようなものです!違うか~ 

ちょっと固めのレースレポートより、これ書いてる方が楽しかったりしますね(笑) 1レースで起こるいろんな出来事、もっともっとお知らせすると、見てくれるファンのみなさんももっと興味を持ってくれるかもしれませんもんね。
今回はここまでにいたしとうございます。

写真・文責/中村浩史

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