ホンダ「スーパーカブ125X」の特徴
約500kmを走るオフロードイベントにも挑戦
近年、スーパーカブはビジネス用途の実用車としてだけではなく、機能的で個性あふれるスタイルと質実なメカニズムが一般のライダーからも高く評価。コミュータからツーリングまで幅広い用途、そしてカスタムの素材としても注目されている。
その流れは海外でも同様。2021年7月にはホンダ・イタリアが2022年モデルの「スーパーカブC125」をベースに、イタリアはカリアリの「MAAN Motocicli Audaci」と共同で製作したカスタムマシン「スーパーカブ125X」を公開した。
この「スーパーカブ125X」は、2021年9月17日〜19日にサルディーニャ島で開催される500kmものダートを走るハードなオフロードイベント「Dust’n’Sardinia 2021」へ参加するための、「スーパーカブC125」をベースとしたオフロードバージョン。とはいえ、「スーパーカブC125」の特徴であるクラシカルなボディのアウトラインや、その基本的なメカニズムは十分に活かされている。
しかし、オフロードを走るのに重要な最低地上高を上げるため、サスペンションは大幅に変更。リアの2本ショックをリザーバータンク付のオーリンズ製ユニットに変更するなどの改良で、最低地上高は4cmプラスされた。
前後ホイールはノーマルと同じ、美しいデザインの17インチ径アルミキャストホイールを黒く塗って使用しているが、組み合わせられるタイヤはゴツいブロックが目立つオフロード向けのノビータイヤ。オリジナルのフォークカバーと違和感なく組み合わせられるブレーキローターカバーもあって、ワイルドなエンデューロ風味だ。
スタイリングで目を引くのはまずフロントマスク。LEDヘッドライトにノーマルのイメージを残しながら、特徴的なカバードハンドルを取り去り、オフロード車らしくバーハンドル化。フロントフェンダーも装着位置を上げてコンパクトなアップフェンダーにされているが、ノーマルのクラシカルな雰囲気も活かされている。
ノーマルのメッキ仕上げのダウンマフラーに変わって装着されるマフラーは、独自の超ショート形状なアップマフラー。遮熱バンテージを巻かれたエキパイを右側ボディサイドにレイアウト。ボディぎりぎりまで寄せた造りで、2本出しのサイレンサーエンドがノーマルの特徴的なサイドカバーを貫通しているという新鮮なデザイン。
ノーマルでは深い形状だったリアフェンダーは、カスタムメイドされた金属製のダックテールフェンダーにされて軽快感をアップ。その跳ね上がった後端にはLEDテールライトも装備。アルカンターラも使って軽快なスタイルに作り直された「MAAN Motocicli Audaci」ロゴ入りのシートも目立つ。
この「スーパーカブ125X」は「Dust’n’Sardinia 2021」へ参加した後、2021年11月25日〜28日にはイタリア・ミラノで開催されるEICMAでも展示されるという。
まとめ:小松信夫