文:山口銀次郎/写真:柴田直行
ホンダ「ADV150」各部装備・ディテール解説
セパレートタイプのLEDヘッドランプの上面には、独特のマスクを形成するのに重要的なマーカーを配置する。ウインカーは、アフリカツインにも使用されている単独部品で、アドベンチャーバイクの系統をアピールする。
可変ノブにて、2段階の高さ調整が可能なフロントスクリーン。走行シーンに合わせた調整はもちろんのこと、スタイリッシュな外観を演出するのにも嬉しいギミックとなっている。
ハンドルポストにセットされたテーパードパイプハンドルは、ブリッジを必要せずに強度を持たせるといったオフロードモデルの主流パーツとなっている。スクーターならではのカバーがされたハンドルよりも、好みのモノへの交換も容易である。
タフギアを連想させるパッケージの液晶モノクロメーターパネル。立ちの強い配置と、メーター単体での構成は、スクーターとは異なるポイントだろう。インジケーターランプは、メーターパネル下部にバータイプとして配置する。
メインイグニッションにはホンダスマートキースステムにより、イグニッション操作はノブでの操作となる。フットボードの間にあるフューエルカバーやシートボックスのオープン操作は、イグニッションノブ横のスイッチに行う。
低速からスムーズかつトルクフルな力が得られるとともに、細やかなスロットル操作にも応えてくれる繊細さを持ち合わせているエンジン。速度域問わず、湧き上がる加速力を発揮する制御が活きている。停車に余計な燃料消費や騒音、排気ガスを抑えるアイドリングストップシステムを採用。切り替えも任意で可能となっている。
これでもかとカチ上がったサイレンサーは、積極的な攻めの姿勢をみせるADVシリーズを彷彿させるスタイリングとる。
前後ショックのストローク量は、フロントは130mm、リアショックは120mmとなる。リアショックには、ガス室を設けるダンパーを採用し、長時間の走行においても安定した性能を発揮する。前後ともにウェーブディスクを採用する。フロントブレーキのみ1チャンネルABSを採用。
フットボードは、フレームカバーと燃料タンクを挟む形のセパレートタイプ。フロント部分の傾斜には、足を乗せやすく制動時の踏ん張りが効く形状となっている。フロントインナー左側には、カバーつきの小物入れを配置し、中にはスマホなどの充電にも役立つアクセサリーソケット備える。
タンデム一体型のシートは、先端部にかけて足つき性を考慮した絞り込まれた形状となる。フロントシート後端にはコブを設け、加速時などで腰を押さえられる。タンデムシート部分脇には握りやすいグリップを設ける。
シート下ラゲッジボックスには、フルフェイスヘルメットを収納可能。容量は27Lと大容量で、幅広い用途に使用できるだろう。
ボディデザインを崩さないタンデムグリップ。余計な張り出しがない上に握りやすい形状となっている。グリップ形状はシート座面に近い高さと全長をカバーする長さとなるので、大きなバッグなどの荷物を搭載する際に安定感が得られるコンビネーションとなる。
折りたたみ式のタンデムステップは、ボディデザインを考慮したモノとなる。
フットボード間に燃料給油口を備える。給油口のカバーはイグニッション脇のスイッチにて開ける。キャップはスクリュータイプで別離する。
テールランプは横長の「X型」バータイプのLEDを採用し、両脇にストップランプを配する。フロント同様にウインカーは別体式となる。ABSが作動するほどの急制度時には、ハザードランプを高速点滅する「エマージェンシーストップシグナル」を装備する。
ホンダ「ADV150」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1960×760×1150mm |
ホイールベース | 1325mm |
最低地上高 | 165mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 134kg |
エンジン形式 | 水冷4ストOHC単気筒 |
総排気量 | 149cc |
ボア×ストローク | 57.3×57.9mm |
圧縮比 | 10.6 |
最高出力 | 11kW(15PS)/8500rpm |
最大トルク | 14N・m(1.4kgf・m)/6500rpm |
燃料タンク容量 | 8.0L |
変速機形式 | 無段変速式(Vマチック) |
タイヤサイズ(前・後) | 110/80-14M/C 53P・130/70-13M/C 57P |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 45万1000円(消費税10%込) |
文:山口銀次郎/写真:柴田直行