TCX「ストリート3 ウォータプルーフ」3カ月使用レビュー
TCXはイタリアのフットウエアブランド。欧州で初めてバイク用ブーツ&シューズすべての製品にCE認証を導入し、BMWやトライアンフ、ドゥカティなどのOEM生産も行なっています。安全性の高さは折り紙つきですね。
履いた瞬間、妙な既視感がありました。ふわっと足が包まれて、守られている感覚。とくに足首のあたりに肉厚があり、心地よさを感じます。
既視感の正体は、このブーツでした。5年ほど前から使っているTCXのオフロードブーツです。
同じメーカーだからか、タイプは異なる靴でも履き心地は近いものを感じました。もちろんオフロードブーツの方が頑丈ですが、「ストリート3 ウォータプルーフ」も一般アパレルのスニーカーとは比べ物にならない安心感があります。
でも見た目はまるでバイク用とは思えない、というのが個人的にはすごく嬉しい。バイクに乗らない日も堂々と履けますからね。
で、さっそく「どや、かっこいいだろ!」と心の中で思いながら、駅前まで歩いていったわけです。すると……想像していた以上に、歩きやすい!
インナーソールがしっかりとしていて、クッション性が高いんです。「ストリート3」シリーズは、有名なOrthoLite(オーソライト)の中敷を採用。インソールの厚みは4mmほどで、特段分厚いわけではないのですが、靴底や地面の硬さを強烈に和らげてくれています。
バイクに乗っているときの操作感もいい。表皮の素材は本革で、甲部分にも相応の厚みがあり、シフトアップで足が痛むなんてことはありません。布地のスニーカーで日々バイクに乗ると、まず左足親指の付け根あたりから傷みますよね。このシューズならガシガシとシフトアップできます。
本革のメリットは見た目の高級感や丈夫であることだけでなく、エイジングが楽しめることもあげられるでしょう。あと火に強いのもキャンプツーリングをするライダーには魅力です。
防水性はインサートされている透湿防水フィルムで確保。雨が多い夏でしたが、日々バイク通勤をしているなかで靴下が濡れてしまうことはありませんでした。
スニーカータイプのライディングシューズはソールがフラットなものが多い中、「ストリート3」シリーズは、六角形のブロックパターンを採用。グリップ力、かなり高いです。
デザイン面では、わずかな汚れ加工が施されています。いまの流行りですよね。
3カ月間・2日に1度ほどの頻度で履いてきましたが、ソールもほとんどすり減らず、どこにも不具合は出ていません。数年単位で履き続けられそう。味わいはすでに出てきました。
お値段は安いものではありませんが、それも納得。サイズ感は普段26.5~27.5cmのスニーカーを履いている私は43(27.5cm)を選んでちょうどぴったり。ほんの少し小さめなのかもしれません。
欠点を上げるとすれば、ブーツと異なり足つき性はほとんどアップしないこと。あと薄手の生地のスニーカーに比べると蒸れやすいことでしょう。ただ真夏でも暑くて履いていられないというほどではありませんでした。
TCX「ストリート3」シリーズには、蒸れ対策用の製品として「ストリート3 エアー」というメッシュタイプのモデルをラインナップされています。暑さが心配な方は、こちらがおすすめ。
そのかわり秋から春までの季節は、ちょっとした防寒シューズとしても期待できそう。これからのシーズンも楽しみです。
レポート:西野鉄兵