周辺環境とパーツの充実で作り上げる#19

カワサキ空冷ZやスズキGS、ホンダCB-Fシリーズなど、今も人気の’70~’80年代のスポーツモデル、当然ながらすべてネイキッドマシン。そのファンには、あの当時にアメリカのAMAスーパーバイクで活躍したようなレーサーのスタイルを公道で楽しみたいという向きも多くいる。基本的にはストックシルエットというレギュレーションだから、ゼッケンプレートをプラスするのはいいとして、灯火類はどうするのか。それをしっかり解決したのが、このTTRモータース製CB-Fだ。

「私も長いことそのようなことを考えていました。でも、今まではウインカーひとつ取っても、どうしてもレーサーに保安部品を無理やり付けている感が出ましたし、ヘッドライトまわりも、違和感が残る感じで、その処理が大変でした。

そんな中で海外の車両を見ていると、ネオレトロの流れでメーカー自身が昔のレーサーのようなゼッケンプレートを付けた車両を出してきたり、そこに向けてアフターパーツメーカーが小さな灯火類を出すようになって、これは使えると思ったんです」とTTRモータース代表の林さん。

画像: 周辺環境とパーツの充実で作り上げる#19

林さんが採った手法は、そうしたメーカー製の超小型・高輝度のウインカーを使うこと。ゼッケンプレートが加わることで中央に置けないヘッドライトは左右に分けた2灯式とした上で、光量を稼ぐプロジェクタータイプを選んだ。

「そのように車検対応で構成して、実際に車検も通ることが確認できました。ですから、同じようにしてくださいという要望にもお応えできます。この車両も製作後に売れて、もう1台、今度は1100Fで製作中です」とも林さん。

この車両、本体は750Fベースにフレーム補強や前後18インチ鍛造ホイール化、ブレーキ強化等を行っている。さらにTTRモータース/安田商会/Craftの3店合同での新作バーハンドルキットも使うなど、CB-Fを多く扱うTTRのノウハウも多く生きている。

CB750Fのリビルドエンジン販売や、エンジン洗浄サービスのRECSなども反応大というTTR。今回の車両への手法で、また新しいチャンネルが築かれたと言っていいだろう。

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#19を貼り付けたゼッケンプレートを前面に押し出しながらも車検に対応し合法的に公道を走れるように、プロジェクターヘッドライトをプレート左右にレイアウト。2灯式でハイ・ロー切り替え機能も持たせられるようになったのも合法化の一因。オイルクーラー位置もモチーフ車同様だ。

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先頃TTRと安田商会、クラフトで共同製作したトップブリッジ“HONDA CB-F/Rバーハンドルキットφ39”を装着。製品は人気大という。

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ウインカーもeマーク付きの高輝度超小型品で前方・後方・側方からの被視認性にも配慮。フロント側はアンダーブラケット横に配してある。

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エンジンは750FCノーマル。同店ではCB750Fのリビルドエンジン販売も行い、そのままの積み替えにも対応するのは心強いところだ。

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キャブレターはCRφ31mmで雰囲気を高める。オイルクーラーキットはやはりCB-Fカスタムに強い、メタルギヤワークス製を使っている。

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排気系はモチーフに近いスチールメガホン。ベース車両はCB750FCでフレームは各部補強とリヤショックのレイダウン加工を行った。

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前後ホイールはPMCソードの3本スポーク“エボリューション”のブラックで、当時風のイメージを大きく盛り込む。ブレーキはノーマル。

リヤショックはYSSのシングルタイプで、モチーフ車に合わせてレイダウンマウント。サイドカバーもカット加工した上で装着した。

取材協力:TTRモータース

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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