文:太田安治/写真:森 浩輔/モデル:平嶋夏海
ヒットエア「モトラッド2」|テスト&レポート
日常的に着用できるエアバッグジャケット
MotoGPではエアバッグ着用が義務化され、国内レースシーンでもベスト型のエアバッグやエアバッグ内蔵スーツの着用率が上がっている。その保護性能の高さは誰もが認めるところだが、街乗りやツーリングで着用している人はごく僅か。ジャケットの上に着用するベスト型は見た目のスマートさに欠け、ヨーロッパブランドの電子制御式エアバッグベストは高価で再使用が面倒、というのも普及の妨げになっている。
これまで多くのエアバッグ製品を試してきた僕が、現状の効果と価格、見た目を考え合わせて推奨するのは機械制御式エアバッグ内蔵ジャケット。ライダー用エアバッグのパイオニアであるヒットエアは5種類のジャケットを揃えているが、今回は「モトラッド2」を紹介する。
エアバッグのシステムは、ジャケット右胸部分に取り付けられたガスボンベと車両をワイヤーで接続し、転倒などでライダーと車両が離れるとワイヤーが引っ張られて炭酸ガスが噴出。首回り、胸、背中、脇、尻部分に配置されているエアバッグを瞬時(約0.1〜0.2秒)に展開するという仕組み。乗り降りのたびにワイヤーを着脱する手間はあるが、通常のジャケットと大差ない製品価格で、展開した後の再使用(ボンベ交換)も簡単に行える。
正直言ってエアバッグの効果は絶大。安全に拘るなら是非お試しを。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
世界に先駆けてライダー用エアバッグを開発したヒットエアが長年改良を重ねているだけに完成度は高い。さらに軽量化して着心地を良くして欲しいが、エアバッグシステムを内蔵している限りは難しいかな。
文:太田安治/写真:森 浩輔/モデル:平嶋夏海