カワサキ「KLX230S」の特徴
2021年10月5日、カワサキが北米向けのニューモデル6機種を発表した。そのうちの5機種は、すでにヨーロッパ向けなどに発表されていた「Z900RS SE」 「Z650RS」 「Z900SE」や、モトクロッサーの「KX450SR」、そしてジェットスキーの「ウルトラ310LX」だった。しかし残る1機種、初公開の公道向けデュアルパーパスモデル「KLX230S」は、日本の一般ユーザーにも興味深い存在といえそうだ。
日本では2019年にデビューしたカワサキのデュアルパーパスモデル「KLX230」は、専用のスチール製ペリメターフレームに、これも新たに開発されたシンプルな233cc空冷シングルエンジンの組み合わせ。軽量でスリムな車体と、低中回転域からの力強いパワー特性、シンプルな構造によって、気軽に本格的なオフロードライディングを楽しむためのモデルとして、北米やヨーロッパ向けなどでも販売されている。
サスペンションの変更でシート高を50mm以上ダウン
今回北米向けにニューモデルとして登場した「KLX230S」。フレームやエンジン、スタイリングなどの基本的な部分については「KLX230」とほぼ共通だが、大きな違いはサスペンションにある。
Φ37mm正立フロントフォークのストローク量が、「KLX230」の約220mmから「KLX230S」では約157.5mmに短縮。同様にリアのユニトラックサスのストローク量も約223.5mmから約167.4mmとされている。これに伴って最低地上高も約264mmから約210mmへと大きくダウンした。その代わり、「KLX230」の約884mmという高目なシート高が約830mmにまで落とされた。
日本風に言うならば「ローダウン仕様」というべき、高いシート高で二の足を踏んでしまうビギナーや女性などに向けたフレンドリーな位置付けのモデル。もちろん、オフロードでの走破性の高い従来モデルの「KLX230」は併売される。両車の外観上の違いはグラフィック、ボディカラー設定が異なるほか、車高の変化に合わせて「KLX230S」ではサイドスタンドが短くなっている程度。
カワサキ「KLX230S」のカラーバリエーション・価格情報
「KLX230S」はボディカラー2色を用意。カワサキらしいスポーティなイメージの「ライムグリーン」はもちろん設定されている。もう1色は、自然の中でも街中でも違和感なく溶け込める「アーバンオリーブグリーン×エボニー」の2トーンカラーだ。
この「KLX230S」、アメリカでの価格はABS仕様が5099ドル(≒約57万円)、非ABS仕様が4799ドル(≒約53万6000円)。公道向けオフロードモデルのラインナップが少なくなった今、フレンドリーさを重視した「KLX230S」、日本向けにも市販化を期待したい1台だ。
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カワサキ「KLX230S」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2080×835×1110mm |
ホイールベース | 1359mm |
シート高 | 830mm |
車両重量 | 135kg/136kg(カリフォルニア仕様) |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 233cc |
ボア×ストローク | 67×66mm |
圧縮比 | 9.4 |
燃料タンク容量 | 7.5L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27.5° |
トレール | 117mm |
タイヤサイズ(前・後) | 2.75-21・4.10-18 |
ブレーキ形式(前・後) | φ265mmディスク・φ220mmディスク |
※インチ・ポンド単位を編集部で換算 |
まとめ:小松信夫