ホンダ「NT1100」の特徴
プラットフォームを共用する、CRF1100Lアフリカツインの兄弟モデル
「NT1100」のエンジンやフレームといった基本的なプラットフォームは、現行モデルの「アフリカツイン」シリーズと共通のもの。
しかし、オフロードモデル的なアドベンチャーツアラーの「アフリカツイン」とはコンセプトが全く異なる、高速道路をはじめとする舗装路での長距離走行で使用されることを想定した、純粋なグランドツアラーとして「NT1100」は開発された。
車体は定評のある「アフリカツイン」のフレームをベースにしながら、サスペンションの変更、ホイールの前後17インチ化などによってオンロード向けに仕立て直された。その結果、大幅に低重心化され、シート高も820mmと「アフリカツイン」より低くなり、扱いやすさが向上。そしてオンロード走行で求められるシャープで素直なハンドリングまで実現。
当然ボディのデザインも一新され、DRL付きフルLEDライトが印象的なスマートなデザインで、高速走行で求められる優れた空力特性も実現した大型カウルを装着。さらに高さと角度が調整できるスクリーンや、効率の良いウィンドデフレクターを装備することによって、ライダーを高速時の走行風から保護。
「アフリカツイン」譲りの、270度クランクやストロットルバイワイヤなどが盛り込まれた最新仕様の1084cc水冷並列2気筒エンジンは、最高出力75kw≒約102PS。持ち前の力強いパフォーマンスを発揮して238kg(MT仕様)という車体を軽々と走らせる。燃費の面も重視され、容量20.4Lのタンクで約400kmの航続距離を実現。快適さを損なわない心地よいサウンドも奏でる。
ミッションに通常のマニュアル6速仕様に加えて、自動変速やクラッチレス走行が可能な6速DCT仕様が用意されているのも「アフリカツイン」と同じ。
もちろん「NT1100」は、長距離ツアラーには欠かせない、スマートで簡単に脱着できる機能的な造りのパニアケースやグリップヒーター、油圧リモートプリロード調整といった、実用的で使い勝手の良い装備も充実。
さらに快適でイージーなライディングをもたらすクルーズコントロールや、「アーバン」「レイン」「ツアー」の3種のプリセットモードに加え、2種のユーザーカスタムモードが設定でき、多様な路面状況や天候にも対応できるホンダ・セレクタブルトルクコントロール(HSTC)とホイールコントロールも搭載。言うまでもなくブレーキにはABSを装備している。
また、メーターパネルは速度などの基本的な情報を表示する小型の液晶メーターにプラスして、6.5インチサイズのフルカラーTFTタッチスクリーンも装備。こちらはHSTCなどの設定だけでなく、AppleCarPlayやAndroidAutoと接続、スマートフォンとの連携によるさまざまな機能を利用可能だ。
大容量トップボックス、コンフォートシート、オートブリッパー機能付きのクイックシフターなどなど、豊富なオプションパーツも存在。ライダーの好みや用途に合わせたオプションセット、街乗り向けの「アーバンパック」、ツーリングに特化した「ツーリングパック」、快適性重視の「ボヤージュパック」まで欧州では用意されている。
この「NT1100」のボディカラーには「パールグレアホワイト」「マットイリジウムグレーメタリック」「グラファイトブラック」という、いずれも落ち着いた色調の3色が用意されている。
ちなみにイギリスでのMT仕様の販売価格は1万1999ポンドで、DCT仕様は1万2999ポンド。現在の為替レートで日本円に換算すると、それぞれ約189万円、約205万円となる。
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ホンダ「NT1100」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2240×865×1360mm(ロースクリーンポジション時) |
ホイールベース | 1535mm |
シート高 | 820mm |
車両重量 | 238kg(MT)/248kg(DCT) |
エンジン形式 | 水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 1084cc |
ボア×ストローク | 92×81.5mm |
圧縮比 | 10.1 |
最高出力 | 75kw/7500rpm |
最大トルク | 104Nm/6250rpm |
燃料タンク容量 | 20.4L |
変速機形式 | 6速リターン/6速DCT |
キャスター角 | 26.5° |
トレール | 108mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・180/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ310mmダブルディスク・Φ256mmディスク |
まとめ:小松信夫