エンジン洗浄システムRECSが新登場
「2020年の4月1日からRECS(Real Engine Clean System)サービスを始めました。開発に5年かけ、より安全にサービスを提供できるものです」こう語るのは、TTRモータースの代表、林さんだ。
TTRは修理や整備、車両販売を主力とする中で、CB-F系対応でこれまでに40点以上のオリジナルパーツ開発やCB750F用純正パーツのオンラインショップ販売を手がけてきた。
オリジナルパーツの中には純正ブレーキキャリパーに使って作動性を高める7N01材製キャリパーピストン(カチラスコート/硬質アルマイトで摺動性と耐食性を得ている)や、純正では緩いスチールプレス製のカムプラグをエッジの立ったアルミ製or真鍮製にしてオイル漏れを予防するようなパーツなど、気の利いたものも多い。
さらに「エンジンは何とかしたいけど開けて手を入れるのは面倒だから、すぐ使えるエンジンがほしい」というような層へ向けてのCB750F(RC04)リビルドエンジンの製作販売も行ってきた。
そんなTTR/林さんの提供する新サービス。それはRECS(レックス)。リアル・エンジン・クリーン・システムの略で、その名の通りにエンジン洗浄システムだという。エンジンをばらし、内部パーツを洗浄する。
洗浄はブラストによって行うのだが、汚れを5種に分類し、各汚れに対して最適な方法で汚れを落とすという。メディアは専用品、ブラスト機もエアレスタイプのRECS専用機材を使い、対象物にダメージを与えずに汚れを落とし、さらに対象物には自動的にコーティング処理がされて以後の表面を保護してくれる。
施工後には対象物を溶剤に漬け、メディア=ブラスト粒子を短時間で化学反応させて100%消滅させる。この時間が従来の約4時間からわずか30秒に大幅短縮。ブラスト込みの時間は約5時間から1時間にと、1/5に短縮される。
そのまま組み立てに移れるのも大きなメリットになった。作業の前後は右上の写真で分かると思うが、黒ずみや茶色い脂がないのは当然、新品のような仕上がりが得られる。また今までブラストでは不可能とされたキャブレターへの施工も可能(穴洗浄も問題ない)ということで、エンジンと合わせた施工にも期待がかかる。
既にTTRではこのRECSを前述のCB750Fリビルドエンジンにも活用している。この新技法、ダメージの少ないうちに活用するのも一考かもしれない。
レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部
※本企画はHeritage&Legends 2020年5月号に掲載されたものです。