ナンカイのヒートアシストシリーズはインナー着用前提のジャケットとベスト、デニムなどのパンツの上に直接履ける新コンセプトのパンツ、専用の7.4Vバッテリーと充電器がセットになったグローブの4アイテム構成。寒さで体が冷えて動きが悪くなることを防ぎ、通勤通学はもちろん、真冬の高速道路ツーリングも快適にしてくれる。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
ナンカイ|3D電熱ライディングパンツ
単体着用前提の電熱ライディングパンツ
電熱パンツはインナーとして着用することが常識だが、それを覆したのがナンカイの電熱ライディングパンツ。アウターパンツと組み合わせるのではなく、製品自体が電熱入りのライディングパンツになっているので単体で着用できる。もちろん保温性の高いアンダーパンツと組み合わせることもできるし、女性に好まれているフィット性の高いスキニーデニムならオーバーパンツのように重ね履きすることも可能。
ヒーターは走行風を受けても暖かさが奪われないよう、腰の両外側と左右のふくらはぎ部分に内蔵されている。冷気が入り込まないように足首部分に伸縮性の高いリブが装着されているのも親切だ。
ナンカイ|3D電熱ジャケット・3D電熱ベスト
体にフィットするヒーターで効率的に加温
電熱ウエア類の中で最初に買うならグローブを推奨するが、すでにグリップヒーターやハンドルカバーを使っているならジャケットまたはベストがお勧め。保温機能を持ったアンダーシャツの上に着用し、防風性の高いジャケットを重ねれば着ぶくれして見た目がモコモコになることも、体の動きを妨げることもなく文句なしの暖かさが得られる。
ナンカイの電熱ジャケットは両胸、両肩、背中の合計5カ所、電熱ベストは両胸と背中の3カ所にヒーターを内蔵。3D立体裁断とストレッチ素材の採用で体にフィットして隙間風を防ぎ、ヒーターの熱が効率的に体に伝わることが特徴だ。
車体側にUSB電源ソケットがあれば付属のケーブルを接続することもできるが、テストでは汎用のモバイルバッテリーを使用。車体側12Vや7.4Vの専用バッテリーを電源とする製品に比べるとスイッチを入れてから暖かさを感じるまでの時間が若干遅いが、スイッチオンから1分程度で暖かくなるから実用上はまったく問題なし。
温度をMAXにした際の暖かさは若干弱いが、MAXのまま使う頻度はかなり少ないので、これまでの使用経験上、こちらも問題ない。むしろ7.4V専用バッテリーよりも容量が大きい汎用モバイルバッテリーが使えることで、駆動時間が長いというメリットの方が大きいと感じた。
革ジャンやアパレル系ジャケットの下に着るなら長袖のジャケットタイプ、本格的なウインタージャケットと組み合わせるなら腕の動きを妨げないベストタイプを推奨する。