リチウムイオンバッテリーとは
リチウムイオンバッテリーとひとくちに言っても、いろんな種類があるのよね。
コバルト系とかマンガン系とかニッケル系とか。で、各々長所や短所があって使い分けされてる。
例えばスマホとかで多く利用されてるのは、コバルト酸リチウムで、こいつは熱暴走リスク高めという短所アリ。
で、今回試したDRCのタフスターバッテリーは、LiFePO4っていうタイプ。
ちなみに似たような名前でLiPO(リチウムポリマー)ってのもあるけど、これは全然別物。ラジコンとかに使われるやつで、扱いには気を遣う必要アリ。なんせリポバッテリーを保管したり持ち歩くためのセーフティバッグが定番商品になってるくらい。
脱線しました。今回の主役は、LiFePO4。
Li(リチウム)+FePO4(リン酸鉄)ってわけで、いわゆるリン酸鉄系リチウムイオンバッテリー。
こいつの長所はなにかっていうと、熱安定性の高さ。大げさに言うと爆発しにくいのね。
バイクという過酷な環境でも安心して使えるように、熱安定性の高いリン酸鉄リチウムを使ってるってわけ。
あと、リン酸鉄系リチウムイオンバッテリーの特長&ダートフリーク独自の工夫の結果、放電性が低くてほっといても長持ちとか、超急速充電が可能とか色々ある。詳しくは公式HPにて。
そうはいっても半信半疑なので、自分で試してみよう
ここまで書いといてなんだけど、初めて使うリチウムバッテリー。不安もなくはないわけで、プロ的にはどうなのか、カブ専門のカスタム&パーツショップ・カビィさんに聞いてみた。
いや、リチウムバッテリーは凄く良いよ。パワーあるし安定してますよ。
鉛の激安粗悪バッテリーは危険だよ
それにしても、リチウムって値段高くないっすか?
いやいや、海外製激安バッテリーが猛威をふるってるだけで、正規のちゃんとしたバッテリーは結構高いんですよ。
ありゃ、そうなんですね。
海外製激安バッテリーは、極端に安いだけあって粗悪品がかなり多いんですよ。
もちろん全てでは無く、中には良いモノもありますが…。
粗悪品にあたってしまうと、すぐ電圧低下して使えなくなるってのが定番ですが、中には「電解液(希硫酸)が漏れ出してバイクを傷める」っていう事例もあるんですよ。
割と危険なので、出来るだけバッテリーは良いモノを使って欲しいというのが本音ですね。
カブ90にはどれをつければ良い?
じゃあどれをつけるかですね。公式サイトを見てみよう。
たしか自分のスーパーカブ90DXは、YUASAでいうところのYT-4LBS。
ダートフリーク公式の適合みると、このあたり。
装着は超簡単。置き換えるだけ。
というわけで選ばれたのは「タフスター リチウムバッテリー 102型」。ゆうて102型と103型の2種類なんだけどね。
さて。
見た目はこんな感じで普通のバッテリーとあんま変わらない。ただ、めちゃめちゃ軽い。測ってみたら443gだった。YT-4LBSは1kg越えてた気がする。
取付は端子を付け替えてはめるだけ。ただ、純正よりも小さいので、振動対策にスポンジを貼っておきたい。
こんな感じでスポンジが付属してるので、良い塩梅になるように貼っていこう。
今回は、薄手のを前に一枚、後ろに重ねて2枚ずつの合計5枚貼ってみた。ギチギチになるので、バッテリーケース内で動くことはなさそう。
せっかくのリチウムイオンバッテリーなので、バッテリーの状態をなるべく把握しておきたい。
そこで以前装着したデイトナの電圧計付USBが活躍するわけですよ。
装着についてはコチラ。
ところで、バッテリー電圧ってどれくらいが目安なんだろ。
車種にもよりますが基本的には13V前後が正常値。
12V未満になると交換時期ですね。上限については、カブの場合は15Vくらいですね。
ですので12V~15Vの範囲内なら正常と考えてもらって大丈夫です。
なるほど。装着してすぐでこんな感じ。13.4V。いわゆる正常値ですね。
タフスターバッテリーで実走した印象
さて、実際に走ってみた。始動性については、自分のカブには、セルがついてないので不明。中型オフロードバイクにも適合してるし、さすがに大丈夫でしょ。
走り回ると充電されて電圧が上がってく。近所のコンビニへの往復で14Vまで到達。
長距離走るともう少し上がりそうだけど、レギュレーターもあるし、バッテリー自体にBMS(バッテリーマネジメントシステム)がついてるので、過充電にはならないでしょ。
で、グリップヒーターつけたら、一気に0.4Vくらい下がった。
そういえば自分のカブにはドライブレーコーダーもついてるけど、発電能力って足りてるのかな。
今度調べてみよう。
ちなみに、鉛バッテリーの時には、ニュートラルランプやウィンカーが動作しないときがあったのよね。アクセル開けると光る、みたいな。
それは電源供給が不足してますね。
なるほど、発電能力と装備品の関係、ちょっと今度掘り下げてみようかな。
充電ならDRCタフスターチャージャー
鉛もリチウムも使える優れモノ
実走行で実に快調。次に気になるのは充電。今まで使ってた鉛バッテリー用だとダメなのよね。
というわけで専用のタフスターチャージャー。
なにげにこれ、優れもので開放型及び密閉型の鉛酸バッテリーにも充電可能なのよ。
過充電防止機能やショート防止機能なんかも透愛されてるし、LEDインジケーターで充電状態も一目でわかる。あと、コンパクトなのが凄く良い。
とはいえ、一応注意事項もあるのでまとめておくよ。
・BMS(バッテリーマネジメントシステム)搭載LiFePO4バッテリー充電用なので、BMS非搭載のLiFePO4バッテリー充電には使用不能。
・鉛酸バッテリーのサルフェーション除去機能はありません。
・バッテリー容量が8V以下の場合は充電できません。
・対応容量は2~20Ahまで。
イージーバッテリーチャージャーハーネスで楽ちん充電
バイクを止めてる場所に電源があるなら、バッテリー装着時にイージーバッテリーハーネスを装着しておけば、車体につけたまま充電できて楽チンだぞ。
カブのバッテリーって外すのは簡単だけど、つけるときが結構めんどいのよね。
こいつをつけておけば、そんな苦労ともオサラバよ。
まとめ
色々走ってみたり放置したりしたけど、これまでのバッテリーより弱りにくいし、給電も安定してる印象。特に、放置しても弱りにくいのが凄くうれしい。
装着して約1ヶ月、100km位走ってるけど今のところ問題もなく好調。
レポート:若林浩志