文：小松信夫
国内モデルと区別が付きませんが
ホンダ CB400 SUPER FOUR（日本仕様・現行モデル）
二輪でもグローバルモデル化が進んだ昨今、純粋な「日本ローカルモデル」というのは、よく考えて見るともうほとんど無いんですねコレが。排気量を日本向けに変えたモデルとか、車名が日本だけ違うとかはありますが。50ccのスクーターとかを除けば、今や国内現行モデルでイチから日本市場向けに開発されたというモデルは…あ〜、ホンダのCB400SF/SBくらいなんじゃないかな。
ホンダ CB400 SUPER FOUR（国内仕様・1992年モデル）
そのCB400SFはご存知の通り、1992年に初代モデルがデビューしてから30年目（！）、日本のライダー、日本の道に合わせてモデルチェンジ、熟成を重ねたモデル。その結果、今やあらゆる面で圧倒的な完成度の高さを実現し、日本中のライダーから圧倒的な支持を集めている400ccネイキッドですね。400ccという日本の免許制度に合わせた排気量だし、CB400SFは国内専用モデルだ！ と思われがちですが、実は十数年前に一時オーストラリアとか東南アジアでは売ってたような…それもいつの間にか見かけなくなって、すっかり忘れ去ってたらば。
こないだ、たまたま発見してしまいました、海外向けCB400SFを。現行モデルを今も売ってるんですねぇ、なぜかシンガポールで。これはシンガポールでホンダを販売してる、Boon Siew Singaporeのホームページのスクリーンショットです。使われてる画像自体は日本のCB400SFホームページのものの流用ね。ただ単純に英語化したんじゃなくて、ページの構成はかなり違ってますが。
ホンダ CB400SF（シンガポール仕様）
これが、そのシンガポール仕様のCB400SFの画像なんですけど。なんか国内仕様との違いはあるのか？ と思って画像を見比べてみる……うーん、どこをどう見ても全く同じものですな。もう面白いくらい同じ。
ホンダ CB400 SUPER FOUR（日本仕様）
ほらほら、コレが同じカラーの国内仕様ですよ。上のと見比べてください。というか画像自体が、そのまま同じものだよね。背景の処理は違うけど、タンクの映り込みとか、タイヤのパターンの位置とか同じだから。
ホンダ CB400SF（シンガポール仕様）
カラーバリエーションも、上のキャンディークロモスフィアレッドと、このアトモスフィアブルーメタリックがあって、現行の国内向けラインナップと共通。国内向け現行モデルには設定されてるもう1色、ダークネスブラックメタリックはシンガポール向けには存在しない。それは多分、LEDヘッドライトを採用した2018年モデルが登場した時に輸出が開始されて、その後に国内でブラックが追加されたからと思われます。
ひょっとしたら諸元は何か違うかも？ と思って確認したけど、これも全く同じでして。ABSも付いてて、現行の国内販売モデルと全く同じでした。おそらく違いはコーションラベルくらいなんじゃないかな…法規対応とかで改良の必要が無かったから、輸出できてるんだろうしね。そもそもシンガポールは非常に小さな国で、総人口も500万人とか（ただしとても狭いんで凄い人口密度）。輸入されたCB400SFも台数的にもそれほど多くはなさそう。
しかし、なんで海外向けのCB400SFがシンガポールでだけ生き残ってるのか？ GDP世界2位という豊かなシンガポールは富裕層が多くてビッグバイクも普通に売ってる国。極端に値段が安いわけでもない（日本でもね）、というか400としてはむしろ高いCB400SFを選ぶ理由は無いような気がする。それに自動車の購入の手続きが面倒で、輸入関税も高額でおそらく日本の3〜4倍くらいの値段になっちゃうから。うーん、よく分からん。余談ですが今回のネタ、見た目が国内仕様と全く同じにしか見えないから、絵面的にはなんのインパクトもないね〜。
文：小松信夫
