まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
カワサキ「HEV二輪研究車」の特徴
ニンジャ250似でも中身はまるで別物!
二酸化炭素を削減しようという「カーボンニュートラル」の波が押し寄せているが、現時点でメーカーがとれる現実的な選択肢は主にEV、ハイブリッド、そして水素燃料やEフューエル燃料といった代替燃料の3つ。各社ともあらゆる可能性を考慮して開発しているところだが、その中のひとつ、ハイブリッドの研究車両をカワサキが2021年10月に公開した。
すでにホンダがPCXでハイブリッドを量産・販売しているが、PCXがモーターを補助動力として使用する「マイルドハイブリッド」なのに対して、こちらはモーターのみでEVとしても走行できる「ストロングハイブリッド」。もちろん、一般に公開されたものとしては二輪車初となる機構だ。
外装パーツの関係で、一見ニンジャ250のようだが、各部に目を凝らすとまるで別物。よく見ると、カワサキの最先端テクノロジーが各部に散りばめられているのだ。
スイッチシフト機構も搭載、完成度も高い
このハイブリッド研究車は、ニンジャ250/400系に似たDOHCツインにモーターを組み合わせた構成。ハイブリッド用のバッテリーは48Vの専用品をシート下に搭載。モーターとバッテリーだけでEVとしても走行可能だ。
大きく重いモーターとバッテリーを搭載するためか、車体は入念に造られていて、トレリスフレーム、バッテリーを搭載するサブフレームはニンジャ250/400より剛性が高そうに見える。スイングアームもZ900系と思しき、角断面の長いものを採用していた。
もうひとつの特徴はクラッチレス化。エンジン左側にコントロールユニットを搭載し、発進や変速を自動で行うため、ライダーはAT感覚で走行可能。シフトチェンジはボタン操作で行うようになっている。実験車ながら完成度は高く、いつ市販されてもおかしくなさそう。今後の展開に期待しよう!