文：山口銀次郎、ゴーグル編集部／写真：柴田直行
スズキ「KATANA」各部装備・ディテール解説
エンジンは、基本的にGSX-S1000と共通のものを搭載。中低速で力強いだけでなく、扱いやすさも備えるストリート向けのパワー特性が与えられている。一見スーパースポーツ用のように見えるツインスパー構造のアルミフレームも、GSX-S1000に準じたものだ。
KATANAのフロントマスクは、コンパクトなス-クリーンや尖ったノーズ周りといったディテールなど、日本刀をモチーフにデザインされたオリジナルのカタナの佇まいを感じさせるデザイン。しかし、コンパクトなLEDヘッドライトなどを活かして、より現代的でシャープな雰囲気へと仕立て直された。
オリジナルは低く構えたレーシーなセパレートハンドルを装着していたが、現代のKATANAはストリートで扱いやすいポジション設定のために、ワイドなアップハンドルを採用している点が大きな違いだ。ハンドルバーはハンドルのたわみが少ないテーパータイプ。
コンパクトな多機能液晶メーターは、タコメーターのグラフィックをオリジナル・カタナ風のデザインにしている。エンジン始動時に画面上に表示されるオープニングアニメーションは、画面が切り裂かれたところに「刀」ロゴが現れるという凝った演出のものだ。
KYB製のフロントフォークはインナーチューブ径Φ43mmの倒立タイプで、KATANA専用のセッティングが施されている。伸側・圧側減衰力と、スプリングのプリロードも調整可能。フロントブレーキにはブレンボ製のラジアルマウントモノブロックキャリパーに、Φ310mmのローターを組み合わせている。
高剛性なアルミ製スイングアームもGSX-S1000と基本的に共通。ただし、スイングアームにリアフェンダー&ナンバープレートホルダーが片持ちマウントされている点は異なる。リアサスのホイールトラベル量は130mm。サイレンサーもGSX-Sと同じものだが、KATANAではブラックアウト仕上げとして印象を変えた。
日本刀の刀身の側面にある〝鎬〟を想わせるシャープな形状のラインといった燃料タンク周りの独特の造形も、オリジナルのカタナの雰囲気を色濃く受け継ぐ部分。漢字と日本刀を組み合わせた「刀」のエンブレムも伝統を感じさせる。タンクのデザインや吸気系との兼ね合いで、燃料タンク本体はシートの下まで伸びている。
ホールド性に優れたシート。タンデムシート側面をシルバーにしたツートーン・デザインはオリジナル・カタナへのオマージュ。ただしテール周りのボリューム感が大きかったオリジナルに対し、KATANAでは現代的なスポーツバイクの例に洩れず、マスの集中化を狙って短く切り詰められたテールとなっているのが特徴。
LEDテールライトを軽快なデザインのテールカウルの後端に埋め込む。リアフェンダーやナンバープレートホルダーなどをスイングアーム側にマウントしているので、非常にすっきりとしたデザインになっている。
スズキ「KATANA」主なスペック・価格
| 全長×全幅×全高 | 2130×835×1110mm |
| ホイールベース | 1460mm |
| 最低地上高 | 140mm |
| シート高 | 825mm |
| 車両重量 | 215kg |
| エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
| 総排気量 | 998cc |
| ボア×ストローク | 73.4×59.0mm |
| 最高出力 | 109kW(148PS)/10000rpm |
| 最大トルク | 107N・m(10.9kgf・m)/9500rpm |
| 燃料タンク容量 | 12L |
| 変速機形式 | 6速リターン |
| キャスター角 | 25゜ |
| トレール量 | 100mm |
| タイヤサイズ（前・後） | 120/70ZR17M/C（58W）・190/50ZR17M/C（73W） |
| ブレーキ形式（前・後） | ダブルディスク・シングルディスク |
| メーカー希望小売価格 | 154万円（税込） |
