スズキ「SV650X ABS」インプレ｜攻めたスタイリングの内に秘めた優しさ、楽しくも扱いやすいV型2気筒カフェレーサー

【ニュース】スズキ「SV650」「SV650X」2022年モデル登場 - webオートバイ

www.autoby.jp

スズキ「SV650X ABS」インプレ解説（山口銀次郎）

スパルタンなネオレトロスタイルだが、とってもフレンドリー

SV650Xはコンパクトなヘッドライトカウルをロケットカウル風に見せてイメージチェンジ。アップライトなバーハンドルをセパレートハンドルに変更してスポーティなポジション設定とし、落ち着いた色調のボディカラーとタックロールシートの装着でレトロな雰囲気も演出している。SV650の定評の高かったスポーティさに、洗練されたイメージを加えたモデル。

まずはSVの特徴となるエンジンについて。90度バンクのVツインエンジンの特性は、5000回転までは厚いトルクを発生させ、サラリと軽快に回る。Vツインならではのパルス感やゴリゴリした力強さが押さえられている。加速時の吹け上がりについても、滑らかで癖がなく、コントロールしやすくなっているのが印象的。大排気量車にありがちな有り余る出力に怯えるといった事態は一切なく、ビギナーはもとより650ccのVツインを満喫したい方におススメしたい。

スポーツモデル志向の車体造りにより、たとえ高回転域を維持して走行する様なシチュエーションに於いても、軽量な車体にも関わらずしっかりとした骨格でライディングに集中できる車体構成となっている。

ネオカフェレーサーを体現するＸは、スポーツモデルの様なトップブリッジ下にマウントされるセパレートハンドルにより、低く身構える「攻め」のフォルムを形成する。小振りなフロントマスクとの相性も良い。ただ、実際に跨ると、前のめりになる様な窮屈さは一切なく、さらに腕や腰に無駄なチカラが入ってしまうこともない絶妙な設定となっている。もちろん走行ペースが上がれば、上半身を畳み込み脇を絞めると、燃料タンクを抱え込んだ前傾姿勢がとれやすいのもXならでは。

アッパーミドルクラスならではの、パンチの利いたVツインエンジに軽快な車体の組み合わせは、抵抗なくスッと馴染むことの出来るフレンドリーさが特徴だが、さらに操作感でもライダーをサポートしてくれる機能を装備している。

『アイドルスピードコントロールTI-ISC』内蔵のスロットルボディを採用することにより、スムーズなエンジン始動を促すほか、低速＆低回転域にてエンジン回転の落ち込みを抑え、適正なエンジン回転数を維持することが可能となっている。発進時や渋滞走行時などに、ライダーを陰ながら支えてくれる、この上ないサポートシステムだ。