CG:宮窪伸治
EICMAに突如展示されたコンセプトとは?
2021年のEICMAは、各社とも現実的な出展が多く、コンセプトモデルを展示するメーカーは少なかったのですが、そんな中、ホンダが会場に展示したのが、この「The HORNET」という名のモックアップ。
市販予定車のような具体的なプロトタイプではなく、イメージを見せるモックアップとしての展示なので、実際のパーツは使われていないものでしたが、そのボディラインを見れば、このマシンがストリートファイターであることは明らか。しかも、EICMAの会場では、このモックアップにプロジェクションマッピングを使ってエンジンを投影、そこには2つのピストンが動くさまが映し出されていたのです。
予想CGはコレだ!「CB750S HORNET」
欧州からの情報によると、近い将来登場する実車は「CB750S」と呼ばれているようで、ツインエンジンを搭載するミドルスポーツの模様。ということで、これがその予想CG。まずはじっくりとご覧いただきましょう!
日本のライダーにとってホーネットと言えば、アップマフラーとリア極太タイヤでスズメバチのイメージを表現したホーネット250の姿だと思います。しかし、欧州で継続していたCB600Fホーネットは、ショートマフラーのストリートファイター。そして今回展示されたモックアップは、その欧州版の進化系と言えるものとなっています。
特徴は逆三角形の尖ったヘッドライトやリア回りで、これはモックアップでも強調されていた部分。CGではこれを再現しつつ実車に近付けてみました。また、マフラーはモックアップでは表現されていませんでしたが、初代ホーネットのようなアップタイプではない、という情報なので、欧州で好まれるショートタイプをセット。完成したCGは完全にストリートファイターとなり、カテゴリー的には、ヤマハのMT-07対抗するモデルと思われます。
エンジンは755ccのツイン。ユニカム採用の可能性も!
搭載されるエンジンは、欧州では排気量755ccと噂されています。ホンダのミドルクラス並列2気筒エンジンは、現在CBR400R系のDOHCツインとNC750系の前傾SOHCツインの2種類がありますが、次期ホーネットのエンジンは、既存ユニットの排気量変更版ではなく、なんとオールニューになると噂になっています。
上の写真にある、ホーネットのモックアップに映し出されているイラストでも分かるように、エンジンのシリンダーは起き上がったタイプで、62度前傾のNC750系とは完全に別物。ヘッドカバーの形状は、SOHCのユニカムタイプに見えますが、果たして真相は!?
兄弟車は次期トランザルプ? 期待はふくらむばかり!
既報の通り、ホンダは新型トランザルプ・XL750Lを開発中で、これに搭載されると思われる755ccツインは、次期ホーネットに投入されるものと同タイプ、と目されています。ちなみに、フロントタイヤは19インチ採用という説があるようですが、欧州の最新情報によると、アフリカツインと同じ21インチが有力との噂です。
トルクバンドが広い2気筒エンジンには万能性があり、多機種展開するプラットフォームとしては最適。もし実現すれば、ホーネットはMT-07に、トランザルプはテネレ700に対抗するモデルとなりますし、さらにフルカウルスポーツが登場すれば、間もなく発売される新型YZF-R7のライバルとなる、2気筒スーパースポーツ対決となるかもしれません。今後の展開を、期待を膨らませて待ちましょう!