文:中村浩史
ヒョウドウプロダクツ 取材レポート
スポーツレザーのHYODが革ジャンの定義を作り直す
レーシングスーツをはじめ、ST-Xシリーズと呼ばれるスポーツライディングウエア、さらにまったくバイク用ウエアに見えないカジュアルウエアのイメージが強いヒョウドウプロダクツ。
そのヒョウドウが2019年に新たにスタートしたのが「ローマンブラック」シリーズ。新しい革ジャンの世界をイメージさせるシリーズだ。
レーシングレザースーツで培った、体にフィットし、ライダーの運動を妨げずにプロテクション性を高めた従来のヒョウドウ製スポーツウエアと別系統で、社内に「オリジンワークス」なるプロダクトチームを作り、専用の牛革から、専用のパターンで、まったく違うモデルシリーズを作り上げた。構想から実に10年をかけてスタートした新しいラインなのだ。
そのシルエットは、いい意味で、これまでのヒョウドウらしからぬ、クラシックで、スタンダードで、オーソドックスな革ジャンたちだ。
ライディングウエアに求められる、動きやすさや安全性をそのままに、まるでメジャーブランドのコレクションのようにデザイン性をアピールする「ローマンブラック」。特に、伝統的なハリ、美しいツヤを持つ「クラシック」シリーズに注目したい。
こんなシリーズをヒョウドウがスタートしたことこそ、革ジャン界が注目され始めている証なのだ。
ヒョウドウプロダクツ おすすめレザージャケット
ダブルライダースをマットな光沢のある、着心地が軽く、しなやかなイフリートレザーを使用して仕立て上げた。仕上げの顔料を極力抑え、革本来の風合いを楽しめる一着。ダブルライダースの新しい解釈。
スタンドカラーのショート丈ライダース。光沢の美しい、撥水性に優れたバロンレザーは、レザーを知り尽くしたHYODならではのパターンにより、驚くほど軽く、動きやすいという。
着心地の柔らかなカウライトレザーを使用し、シンプルなスタンドカラーに仕上げた。保温性の高い脱着式のアクリルシープボアを内蔵し、幅広いシーズンで着用できる。肩とひじにD3Oプロタクターを、背中にフォームパッドを内蔵している。
脇にストレッチニットを使用し、動きやすさも考慮したセミロング丈のフーディ。グレーとブラックはエイジング加工を施したビンテージな表情で、他カラーはカウライトレザーを採用。かなりストリートファッション寄りだが、肩とひじに、HYOD独自のD3Oプロテクターを標準装備する。
袖口と裾にリブニットを使用し、本体レザーもパターンごとに素材を使い分け、HYODレザースーツっぽいスポーティなニュアンスが感じられる。前身頃にナナメにドットエンボス素材を使用し、デザインアクセントとしている。各種プロテクターも装着可能。
文:中村浩史
この記事は月刊『オートバイ』2021年12月号別冊付録「RIDE」に収録されたものを再編集して掲載しています。