文:中村浩史/写真:森 浩輔
ルイスレザーズジャパン 取材レポート
バイク乗りの方、増えています
アメジャンとロンジャン──ライダースをざっくり分けると、この2種類がある。アメリカ発祥とイギリス発祥、という意味だ。そのロンジャンの雄が、1892年創業のルイスレザーズ。オートバイ発祥の国で生まれた革ジャンだけに、僕らとの関係も深い。
「ルイスレザーズのお客様は、バイク乗りの方、ストリートファッションの方、それにミュージシャンや芸能人の方と、すごく幅広い。他社の革ジャンも素晴らしいものが多い中で、ルイスレザーズを指名してもらえる事はすごく嬉しいです。理由としては、ブランドだったり長い歴史の中でのカルチャーに裏づけされる事なのだと思います」とは、ルイスレザーズジャパンのマネージャー、後藤恒明さん。
ご自身でもBSAや写真のZ1000をお乗りの後藤さんに、バイク乗りと革ジャンの関係を聞いてみた。
「オートバイのウェアは防風、防寒、防水に、動きやすさや万一の時の防護性能が必要ですよね。今はテキスタイルのジャケットの防風防寒防水性が飛躍的に上がっているので、その点では革ジャンは敵わない。転倒時の安全性は高いけれど、それならレザースーツの方がいい。だから革ジャンを『着なきゃいけない』理由なんてない。着る理由は『特別感』だと思うんです」
テキスタイルのジャケットは、素材と、中綿や防水透湿フィルムなどの内部構造で耐候性能を上げることができる。革ジャンもその手段は使えるし、取り外し式のインナーを備える型もある。でも、そうじゃない。
「きょうオートバイで出掛けよう、っていう気合だったり、カッコよくオートバイに乗りたい、っていう気持ちだったり。そういうのが重要だと思うんです。ガールフレンドとデートの時、かっこいい洋服で出掛けたくなるじゃないですか。その気持ちですよ」
カッコつけたい気持ち──それをオートバイ乗りは忘れちゃいけないんじゃないか、と後藤さんは言う。大賛成です! 後藤さんもきっと、革ジャンが似合うオートバイ、って理由でZ1000をチョイスしたのだ。ショップにディスプレイされている英国車・BSAだって、ロンジャンがベストマッチするオートバイのひとつだ。
さらにもうひとつ。後藤さんはあまり話したがらないけれど、ルイスレザーズの愛用者にはスーパースターが多くて、以前『オートバイ』別冊付録「RIDE」でもインタビューさせてもらったザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさんがずっと着ているのは有名だし、シド・ビシャスやポール・マッカートニーもルイスの大ファン。
英国車やハーレー乗りでおなじみのバイキング小峠さんは古くからの後藤さんの友人だし、動画配信サイトでは、数々の芸能人たちがルイスレザーズを「爆買い」している。野生爆弾くっきーさん、東野幸治さん、挙げ始めたらきりがないほど。失礼ながら、どんな体型でも似合うのもルイスの良さだ。
「使ってくださっている皆さんが、さらにルイスの魅力を発信してくれて、ありがたいことに、初めて革ジャン買いに来たんです、という方も増えています。ファッション系とオートバイ乗りの比率は7:3から6:4くらいに、オートバイ乗りの方がどんどん増えています。革ジャンを扱っていて、嬉しいことのひとつですね!」
ルイスレザーズジャパン おすすめレザージャケット
文:中村浩史/写真:森 浩輔
※この記事は月刊『オートバイ』2021年12月号の特別付録「RIDE」に収録した内容を一部再編集して掲載しています。