CG:宮窪伸治
初代CLから50年を経て栄光のスクランブラーが復活?
2021年もベストセラーに輝いたレブル250に兄弟モデルの、なんとスクランブラーがデビューしそうだという噂が流れている。その名もCL250。1962年に海外で発売されたCL72スクランブラーの伝統を今に受け継ぐモデルとなる。
CL72は、まだオフロード専用車が存在していなかった時代誕生した記念すべきホンダ初のオフモデル。排気量はレブルと同じ250ccで、スポーツモデルのCB72をベースとしていた。この初代モデルから50年、2022年末頃のデビューではないかと予想される、次期CL250もオンロードモデルのレブル250をベースとしたマシンとなるようだ。
こういった「スクランブラー」タイプのマシンにとって重要なアイテムのひとつがアップマフラーの装備。これに、フォークブーツや大径ホイールなどが加わってスクランブラースタイルに生まれ変わるのだ。ブロックタイヤやスポークホイールだと一層本格的になるが、レブル250ベースのCL250はエントリーモデルと予想し、CGではオンロード装備としてみた。
250があれば500もある!? 兄貴分のCL500も同時展開か?
2017年にデビューしたレブル250はユニークな機構を車体に採用していた。それは、同じフレームで単気筒250ccと並列2気筒500ccのエンジンを搭載できるという画期的なもので、共通のボディで排気量の異なる2つの車種展開を可能としていた。
先に紹介したCL250もレブルのフレームをベースとするので、レブルと同じように、大型免許対応のCL500が用意される可能性が高いだろう。こちらは2気筒エンジンを採用するので、1960年代と同じスタイルの片側2本出しマフラーを装備させてみた。こちらもなかなかスタイリッシュだ。CL500は250よりもデビューが遅くなりそうで、2023年初頭と予想される。もちろん国内デビューも濃厚だ。
ホンダが生んだ栄光のスクランブラー「CL」とは?
本格的なオフロードモデルがまだなかった1960年代に誕生したのがスクランブラー。「(野山を)這い登る」という意味の「スクランブル」が語源で、スポーツモデルをベースにブロックパターンのタイヤとアップハンドルを装着、マフラーもアップタイプとして悪路での走破性を高めた、オン・オフ両用のオートバイである。
ホンダは1962年、ドリームCB72スーパースポーツをベースにCL72スクランブラーを開発。フレームは専用設計、エンジンは中低速寄りにリファインされ、サスセッティングも変更。国内市販もされたが、主にアメリカに輸出され、ダートトラックレースで大活躍。北米市場におけるホンダの評判を大いに高めた。その後、CLの名前はホンダ製スクランブラーのメインブランドとして、大事に受け継がれていくのである。