【タイヤインプレ】ブリヂストン「バトラックススポーツツーリングT32」｜グリップ力はワンランク上のスポーツタイヤ並み

2022-03-29

太田安治 @ webオートバイ

ツーリングタイヤの快適性能とスポーツタイヤ並みのグリップ性能を両立したブリヂストンのツーリングタイヤ「T32」。そのパフォーマンスを検証する！
文：太田安治／写真：関野温

ブリヂストン「バトラックススポーツツーリングT32」インプレ

ツーリングタイヤの新領域に達したマルチ性能が魅力

「パルスグルーブ」というニューワードが興味を引くブリヂストンの新作ツーリングタイヤ「T32」。ツーリングタイヤらしくウエット性能を向上させたが、いや、T32の魅力はむしろスポーティさにある！

テスト車両であるホンダCB400SFに装着し走り出したのは、残念ながらウエット性能は試せない晴れた日だった。しかし、走り出してすぐにワンランクスポーティなラインナップであるS22と共通するフィーリングを持っていることに、良い意味で驚かされた。

様々な技術の進歩により総合性能は高まってはいるものの、ツーリングタイヤといえば、まったりしたフィーリングであったり、急かされない落ち着きを持ったようなタイヤが多い。しかし、Ｔ32はフロントからクイックに旋回し、キビキビとした運動性を見せてくれたのだ。

直線路ではこれが不安定感に繋がるようなことはないのに、ひとたびワインディングに踏み入れてバンク角が深まってくるとグイグイと曲がる性格にニコニコしてしまう。これは尖り気味形状をしているフロントタイヤによるところなのだろうが、リアタイヤは逆にラウンド形状が穏やかで、これがまた安心感を生んでいるようだ。

フロントをクリッと曲げて、あとは接地面積が先代比で13％もアップしたというリアタイヤにコーナリングフォースを預けてグングンアクセルを開けていく。こんな性格もS22的で、本当にツーリングタイヤなのか？と疑いたくなるほど走っていて楽しかった。

ツーリング先で雨に降られた場合や、ワインディングで浸み出す湧き水に遭遇した場合などでウェット性能は確かにありがたい。しかしT32はドライ路面での「楽しさ」もしっかり追求しているのが魅力だろう。

2022-03-29

太田安治 @ webオートバイ