Z1から発展してきた空冷Zの歴史だが、Z1のDNAを受け継ぐ集大成と言うべきフラッグシップモデルがこのGPZ1100。車名にこそ「GP」の名が加わっているが、当時の技術の粋が詰め込まれた貴重な1台だ。
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍
カワサキ「GPz1100」
空冷2バルブの歴史に花を添えた高性能モデル
Z1から脈々と受け継がれてきた、空冷DOHC2バルブエンジンだが、その最後を飾ったモデルがGPz1100だった。
ライバル車たちが4バルブ化を果たす中、空冷DOHC2バルブが持つポテンシャルを極限まで引き上げたエンジンは、ピストンやコンロッドを新作し、多球型燃焼室を採用。当時最先端の技術だったフューエルインジェクションシステム・dfiも投入し、4バルブ勢に一歩も引けを取らない、120PSのハイパワーを実現。これを支える車体も、パイプワークから見直した新作だった。
開発陣の想いを感じる気合いの入った作りだったが、新世代のフラッグシップである、水冷エンジン搭載のGPZ900Rと入れ替わるように、GPz1100は1985年に生産を終了。長きにわたったZ1系エンジンの歴史にピリオドを打ったのである。
カワサキ「GPz400」
兄貴分譲りの大型フェアリング
先代のZ-GPシリーズ同様、GPzシリーズも国内仕様は750と400というラインアップだった。この400は先代からボア・ストロークを変更した新作エンジンを搭載。兄貴分譲りの大型フェアリングをまとったボディは迫力満点で、息の長いロングセラーとなった。
カワサキ「GPz1100」各部装備・ディテール解説
カワサキ「GPz1100」主なスペック
全長×全幅×全高 | 232×740×1275mm |
ホイールベース | 1565mm |
最低地上高 | 140mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 244kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1089.9cc |
ボア×ストローク | 72.5×66mm |
圧縮比 | 9.5 |
最高出力 | 120PS/8750rpm |
最大トルク | 10.2kgf・m/8000rpm |
燃料タンク容量 | 20.4L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27.59゜ |
トレール量 | 116mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/90V18・130/90V17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ280mmダブルディスク・Φ270mmディスク |
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍