ドイツのケルンショーでセンセーショナルなデビューを果たした、カワサキZの新たなるフラッグシップがZ1300。水冷6気筒エンジンは120PSを発揮し、威風堂々たるサイズのボディは高級グランドツアラーとしての押し出しと風格を備えていた。
文:オートバイ編集部/写真:鶴見 健
文:オートバイ編集部/写真:鶴見 健
カワサキ「Z1300」解説
豪華装備と上質な走りが自慢の高級クルーザー
フラッグシップモデルとして1978年に発表されたZ1300は、カワサキ初の6気筒エンジンを搭載。同時期に登場した6気筒スポーツ、ホンダのCBXが空冷DOHC4バルブユニットだったのに対し、Zは水冷のDOHC2バルブで、マシンコンセプトは全く異なっていた。
カワサキが目指していたのは、北米市場のニーズを満たす、豪華なクルーザー志向のツアラーモデル。120PSの大パワーで、最高速も225km/hに達したが、狙ったのはあくまでジェントルで快適な走りだった。
注目の6気筒ユニットはエンジン幅が広がることを嫌った、超ロングストローク設定。フレームも堅牢で、セミエアのフロントフォークは当時としては異例の太さと言えるΦ41mm径のものだった。オートキャンセルウインカーなど、高級車らしく装備面も豪華だった。
カワサキ「Z1300」各部装備・ディテール解説
カワサキ「Z1300」主なスペック
※スペックは1979年式
全長×全幅×全高 | 2335×840×1155mm |
ホイールベース | 1580mm |
最低地上高 | 145mm |
シート高 | 810mm |
車両重量 | 297kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC2バルブ並列6気筒 |
総排気量 | 1286cc |
ボア×ストローク | 62×71mm |
圧縮比 | 9.9 |
最高出力 | 120PS/8000rpm |
最大トルク | 11.8kgf・m/6500rpm |
燃料タンク容量 | 27L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 28.3゜ |
トレール量 | 102mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/90V18・130/90V17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ260mmダブルディスク・Φ250mmディスク |
文:オートバイ編集部/写真:鶴見 健