ドイツのケルンショーでセンセーショナルなデビューを果たした、カワサキZの新たなるフラッグシップがZ1300。水冷6気筒エンジンは120PSを発揮し、威風堂々たるサイズのボディは高級グランドツアラーとしての押し出しと風格を備えていた。
文:オートバイ編集部/写真:鶴見 健

カワサキ「Z1300」解説

画像: Kawasaki Z1300 総排気量:1286cc エンジン形式:水冷4ストDOHC2バルブ並列6気筒 車両重量:297kg

Kawasaki Z1300

総排気量:1286cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC2バルブ並列6気筒
車両重量:297kg

豪華装備と上質な走りが自慢の高級クルーザー

フラッグシップモデルとして1978年に発表されたZ1300は、カワサキ初の6気筒エンジンを搭載。同時期に登場した6気筒スポーツ、ホンダのCBXが空冷DOHC4バルブユニットだったのに対し、Zは水冷のDOHC2バルブで、マシンコンセプトは全く異なっていた。

カワサキが目指していたのは、北米市場のニーズを満たす、豪華なクルーザー志向のツアラーモデル。120PSの大パワーで、最高速も225km/hに達したが、狙ったのはあくまでジェントルで快適な走りだった。

注目の6気筒ユニットはエンジン幅が広がることを嫌った、超ロングストローク設定。フレームも堅牢で、セミエアのフロントフォークは当時としては異例の太さと言えるΦ41mm径のものだった。オートキャンセルウインカーなど、高級車らしく装備面も豪華だった。

画像: シャープなテール形状や角形タンクなど、Z1000MK.Ⅱにも通じる造形が特徴。撮影車はカワサキ所蔵の1984年式の後期型で、フューエルインジェクション搭載車。

シャープなテール形状や角形タンクなど、Z1000MK.Ⅱにも通じる造形が特徴。撮影車はカワサキ所蔵の1984年式の後期型で、フューエルインジェクション搭載車。

カワサキ「Z1300」各部装備・ディテール解説

画像: DOHC2バルブの水冷直6という破格のエンジンは排気量1286cc、最高出力120PS。フューエルインジェクション化された後期型では10PSアップの130PSを発揮した。

DOHC2バルブの水冷直6という破格のエンジンは排気量1286cc、最高出力120PS。フューエルインジェクション化された後期型では10PSアップの130PSを発揮した。

画像: 初期のZ1300では2バレル構造のキャブレターを3つ装着。1984年以降のモデルはフューエルインジェクションが組み合わされる。

初期のZ1300では2バレル構造のキャブレターを3つ装着。1984年以降のモデルはフューエルインジェクションが組み合わされる。

画像: キャストホイールはフロント19インチ、リア18インチ。フォークは極太のΦ41mm径、ブレーキキャリパーは片押し式1ポットキャリパー。

キャストホイールはフロント19インチ、リア18インチ。フォークは極太のΦ41mm径、ブレーキキャリパーは片押し式1ポットキャリパー。

画像: 圧倒的な大パワーに対応するため、駆動系はチェーンではなくシャフトドライブを採用。リアサスペンションはツインショック。

圧倒的な大パワーに対応するため、駆動系はチェーンではなくシャフトドライブを採用。リアサスペンションはツインショック。

画像: ヘッドライトは当時のオートバイとしては斬新な角形。ライトの下に見えているオイルクーラーのような四角いパーツはホーンカバー。

ヘッドライトは当時のオートバイとしては斬新な角形。ライトの下に見えているオイルクーラーのような四角いパーツはホーンカバー。

画像: メーターはアナログ表示の速度計と回転計を大型の四角いケースで一体化。中央に燃料系と水温計を縦に配置。

メーターはアナログ表示の速度計と回転計を大型の四角いケースで一体化。中央に燃料系と水温計を縦に配置。

画像: 直6エンジンの上を覆ってしまうほど幅の広い燃料タンク。仕向け地によってタンク容量は異なるが、ヨーロッパ仕様は27Lだった。

直6エンジンの上を覆ってしまうほど幅の広い燃料タンク。仕向け地によってタンク容量は異なるが、ヨーロッパ仕様は27Lだった。

画像: タンクに合わせて幅も広くクッションも分厚いシート。最高峰のツアラーとして、タンデムでの快適性を重視したデザイン。

タンクに合わせて幅も広くクッションも分厚いシート。最高峰のツアラーとして、タンデムでの快適性を重視したデザイン。

画像: 台形の大型テールランプを綺麗に埋め込んだテールカウル。これもZ1000MK.Ⅱのものによく似ているが、よりシャープな形状だ。

台形の大型テールランプを綺麗に埋め込んだテールカウル。これもZ1000MK.Ⅱのものによく似ているが、よりシャープな形状だ。

カワサキ「Z1300」主なスペック

※スペックは1979年式

全長×全幅×全高2335×840×1155mm
ホイールベース1580mm
最低地上高145mm
シート高810mm
車両重量297kg
エンジン形式水冷4ストDOHC2バルブ並列6気筒
総排気量1286cc
ボア×ストローク62×71mm
圧縮比9.9
最高出力120PS/8000rpm
最大トルク11.8kgf・m/6500rpm
燃料タンク容量27L
変速機形式5速リターン
キャスター角28.3゜
トレール量102mm
タイヤサイズ(前・後)110/90V18・130/90V17
ブレーキ形式(前・後)Φ260mmダブルディスク・Φ250mmディスク

文:オートバイ編集部/写真:鶴見 健

This article is a sponsored article by
''.