ダンロップ・オートバイ杯ジムカーナの2022年シーズンが開幕し、第1戦が2022年3月27日に茨城県下妻市の筑波サーキット ジムカーナ場で開催された。約半年ぶりとなるこの大会に、各地から全クラス合計167台がエントリーし、ドライコンディションの中で全力でタイムアタック! まず最高峰クラス・A級の模様をレポートする。

A級1位 吉野 昇選手&CRF450X

画像1: A級1位 吉野 昇選手&CRF450X

開幕戦で勝利したのは、昨年の最終戦で久々に優勝、復活を遂げた吉野選手&CRF450Xだった。第1ヒート、一見シンプルなように見えて絶妙にパイロン、セクションが配置されたコース設定によってペースを崩される選手が多かった中で、マシンの力強い加速性能を活かした持ち前の走りで1分20秒988をマーク。暫定トップとなった濱田選手に約0.6秒差で続く2位につける。ドライ路面は変わらないが、風が強まり路面温度が上がらなかった第2ヒートでも、さらに精度を上げた走りでコースを攻略、1分20秒358を叩き出して濱田選手を僅差で逆転して勝利した。

画像2: A級1位 吉野 昇選手&CRF450X

吉野選手は「去年勝って嬉しかったけど、そこでマシンの弱点が明確になって。ストップアンドゴー気味なコースでは速いのに、大きなコーナーでは安定感がなくてダメ。自分の乗り方も含めて、それを冬の間に対策したのが今日は上手くいったかな。シーズンまたぎだけど2連勝できたのも嬉しいね。今まで何回か勝ってきたけど、連勝は初めてなんだよ!」とコメントとしていた。

A級2位 濱田 令選手&YZ250X

画像: A級2位 濱田 令選手&YZ250X

今シーズンからA級に昇格したばかりの濱田選手&YZ250X。昇格初戦となるこの開幕戦、短く切り詰めたテールなど、徹底的に改良した2スト・モタードのポテンシャルを引き出す豪快な走りを見せて、第1ヒートで1分20秒388をマーク。並み居るベテランたちを抑えて暫定トップとなってギャラリーを驚かせる。A級デビュー戦での勝利という快挙も期待される中、第2ヒートで吉野選手が1分20秒358と僅差で逆転。最終アタッカーである濱田選手も再逆転を狙ってコースに飛び出し、全開でコースを攻め立てるが、コース半ばで惜しくも転倒! 残念ながら快挙達成は成らなかった。競技終了後、「あの手前でミスして、耐えたんだけどあそこでフロントからいっちゃって…でも次は勝ちますよ!」と濱田選手は自信満々に語っていた。

A級3位 冨永崇史選手&NSR250R

画像: A級3位 冨永崇史選手&NSR250R

昨年のダンロップ・オートバイ杯チャンピオンである冨永選手&NSR250R。アタックが始まる前には「あんまり練習できなかったんで、どうなっちゃうかな」という冨永選手だったが、そんな言葉とは裏腹に安定した速さを見せ、第1ヒートは1分21秒389で3位。第2ヒートでは冨永選手らしいスムーズさを極めた走りでアタック、1分20秒473までタイムを削って、上位2人には届かなかったが3位の座をキープ。「ポイントは稼げたし、とりあえず合格点?」と胸をなでおろしていた。

A級4位 池田秀一選手&NSR250R

画像: A級4位 池田秀一選手&NSR250R

昨年はオートバイ杯第2戦で勝利したものの、無得点だったラウンドもあって年間ランキング4位だった池田選手&NSR250R。この開幕戦、第1ヒートは1分21秒944で暫定6位。第2ヒートでは20秒台には届かなかったが、それでも1分21秒079までタイムを短縮して4位まで順位を上げてみせた。

A級5位 作田隆義選手&Ninja400

画像: A級5位 作田隆義選手&Ninja400

昨年のオートバイ杯で1勝、冨永選手に続くランキング2位となって、まだまだトップクラスで戦えることを証明した作田選手&ニンジャ400。このシーズンオフもエンジンや足回りなどを見直し、開幕戦に臨んだ。第1ヒートは1分21秒571でモタード、NSRの中に割って入る暫定4位。第2ヒートでも1分21秒274までタイムを詰めて最終的には5位。

A級6位 辻家治彦選手&GSX-R1000

画像: A級6位 辻家治彦選手&GSX-R1000

大排気量車を軽々と、そして豪快に走らせる辻家選手&GSX-R1000が、入賞圏内の6位に食い込んで来た。第1ヒートは1分22秒854で暫定10位だったが、第2ヒートではそこから一気に約1.4秒タイムを削り取って1分21秒406を記録した。

A級7位 木村健太選手&KX250F

画像: A級7位 木村健太選手&KX250F

A級8位 中澤伸彦選手&GSX-R1000

画像: A級8位 中澤伸彦選手&GSX-R1000

A級9位 中嶋秀和選手&TZR250R

画像: A級9位 中嶋秀和選手&TZR250R

A級10位 大瀧豊明選手&790DUKE

画像: A級10位 大瀧豊明選手&790DUKE

昨年のダンロップ・オートバイ杯開幕戦でB級ながら総合優勝するなどの活躍を見せ、今シーズンからA級に昇格した木村選手&KX250Fが1分21秒573で7位。第1ヒートで暫定7位だった中澤選手&GSX-R1000は1分21秒678で8位。9位には中嶋選手&TZR250Rが1分21秒844で入り、10位には大瀧選手&790DUKEが1分21秒860で入った。

画像: オートバイ杯第1戦のA級入賞者 左から1位・吉野選手、2位・濱田選手、3位・冨永選手、4位・池田選手、5位・作田選手、6位・辻家選手

オートバイ杯第1戦のA級入賞者 左から1位・吉野選手、2位・濱田選手、3位・冨永選手、4位・池田選手、5位・作田選手、6位・辻家選手

今回のオートバイ杯第1戦のレポートは月刊『オートバイ』誌上に掲載の予定。また過去の大会を含めた詳細なリザルトや、各地のイベント情報といった二輪ジムカーナに関連する各種情報はオートバイ杯の運営を担当しているJAGE(二輪ジムカーナ主催者団体協議会)のホームページで確認できる。全国各地のジムカーナイベントの日程は、「モトジムカーナカレンダー」も分かりやすい。

また、ジムカーナ関連動画をYouTube上で公開している「Ramkhana」チャンネルでも、今回の大会の生配信アーカイブをはじめ、さまざまなジムカーナに関する動画を見ることが可能だ。

レポート:小松信夫

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