カワサキZブランド50周年記念車でもこのZ900は、Z900RS・Z650RSの2モデルとは異なり、スポーツマインドを刺激する仕上がりになっている。モチーフは1980年代に一世を風靡した「GP」シリーズで、代表色のファイアクラッカーレッドに身を包む。外観の特徴とともに走りのキャラクターについて解説しよう。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、赤松 孝

カワサキ「Z900 50th Anniversary」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Kawasaki Z900 50th Anniversary 総排気量:948cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:800mm 車両重量:213kg 発売日:2022年2月1日 税込価格:121万円

Kawasaki Z900 50th Anniversary

総排気量:948cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:800mm
車両重量:213kg

発売日:2022年2月1日
税込価格:121万円

機敏なファイターながら街乗りでも十分実用的

Z900はそれまでのZ800世代から、フレーム、エンジンを一新して2018年に登場したモデル。Z900RSのベースとなったスポーツネイキッドで、リッタークラスとしてはコンパクトな車体を活かしたクイックなフットワークが光る。

今回試乗したのはZの50周年記念モデルで、スタンダードとの違いは1980年代のZ-GPやGPzを彷彿とさせる鮮やかなレッドカラーとシボ入りシートなど。このカラーリングはZ900の迫力あるデザインと相性がよく、インパクトはスタンダードより格段に強力だ。

RSの100km/h 6速が約3900回転なのに対して、こちらの減速比は少しショートで4200回転強。回っている分、比べると少しせわしいが、イヤな振動などが一切ないのは嬉しい。

画像: カワサキ「Z900 50th Anniversary」インプレ(宮崎敬一郎)

エンジンはRSより10馬力以上強力な125PSなのに加え、減速比の違いもあり、瞬発力は強烈で別物。兄貴分のZ1000ほどの猛ダッシュではないが、ちょっと回し気味にすれば「暴れん坊の走り」をどこでも実現する。先代のZ800シリーズと同等の、程よい節度を保った非常に身軽なハンドリングを持っているのも素晴らしい。

パワーモード切り換えやトラコンなどといった電制ライディングアシストも装備するが、嬉しいことに、エンジンにはスポーツモードでも街中で普通に使える扱いやすさがある。トラコンも優秀で、峠道で路面の荒れなどから不意に起こるスライドのセーブなども安心してまかせられる。

Z900はストリートでは機敏なストリートファイターになり、峠道ではイージーに曲がる、かなり元気のいいスポーツバイクなのだ。サイズ、パフォーマンス、そしてプライスも手頃な高性能スタンダードスポーツと見ていいと思う。

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