文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年3月31日に公開されたものを転載しています。
2020年に果たせなかったEMのSSDT参戦が、ついに実現するか!?
世界最古のトライアルイベントであるSSDTは、2輪史のパイオニア期である20世紀初頭・・・1909年に始まりました。記念すべき最初の大会は、エジンバラ・モーターサイクル・クラブのC.マクレガーが考案したもので、この年だけ6日間ではなく5日間で行われました(翌1910年から6日間という競技期間が定着)。
1911年にはエジンバラ&ディストリクト・モーター・クラブが設立され、初めて公式なSSDTとして大会が開催されることに・・・。以来、同クラブの主催によりSSDTは開催され続け、これまで2度の世界大戦、2001年の口蹄疫、そして2020〜2021年のCOVID-19パンデミックによる中断・中止はありましたが、1世紀を超える歴史を積み重ねてきたわけです。
実はEM=エレクトリックモーションは2000年SSDT大会に、元トライアル世界選手権王者(1996年)のマルク・コロメと、EMの英国インポーターであるインチ・パーフェクト・トライアルズのマシュー・アルプの両名が参加する予定でした。しかし上述のとおりCOVID-19パンデミックで大会が中止になったため、電動トライアル車によるSSDT初挑戦は幻に終わったのです・・・。
電動車世界王者の活躍に期待しましょう!
去る3月18日に公表されたSSDTの2022年参加者リストには、165番にEMファクトリーライダーで2021年度のトライアルE王者のG.シャタヌ、そして166番にM.アルプの名が記載されていました。そして3月30日、EMのFacebookページにもEMがSSDTに参戦する旨が正式に公表されたのです!
マシュー・アルプ(インチ・パーフェクト・トライアルズ)
「SSDTには過去に7回、従来(※内燃機関搭載)のトライアルバイクで出場し、常にイベントを楽しんできました。今日、EMチームの一員となることは特権であり名誉であり、言うまでもなく私とEMブランドにとって、最もエキサイティングでチャレンジングなSSDTです」
ガエル・シャタヌ(2021年トライアルE王者)
「スコティッシュは私にとっても、EMチームにとってもとてもエキサイティングなものになると思います。なぜなら、今までに行われなかったことをするのですから。Eピュアレースは(※セクションの)小川でとても良いフィーリングで、このようなハードなコンディションで、自分を追い込む準備はできています」
すでにEMのSSDTチームは、大自然の地形を活かしたSSDTコースを想定した準備を進めており、G.シャタヌのInstagramにはインチ・パーフェクト・トライアルズの協力の下、電動車のEM Eピュアレースで英国でのトレーニングに励む様子をおさめた動画や写真が投稿されています。
最近は英国も、COVID-19の変異種による感染再拡大が懸念されていますが、なんとか被害が広がることなく、5月開催予定のSSDTが無事に行われることを祈りたいですね。電動トライアル車のEM Eピュアレースが、初挑戦でどのような成績を残すのか・・・? 期待しつつ5月の訪れを待ちたいです!
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)