文:太田安治/写真:南 孝幸
レガーレ「CT125L」インプレ(太田安治)
前後14インチ化で向上した足つきのよさと愛らしさ
二輪業界の予想をはるかに超えるヒットモデルとなったCT125・ハンターカブ。SUV的なルックスと実用性の高さで、荷物満載のツーリングから通勤通学を含めたシティユースまで幅広く活用されている。
そんなハンターカブの数少ないウイークポイントは車格の割に足つき性が悪いこと。ゆとりあるライディングポジションとオフロードでの高い走破性のためなのだが、小柄なライダーにとっては不安要素になってしまう。
かつてスーパーカブシリーズには前後タイヤを14インチにしてシート高を下げた「リトルカブ」がラインアップされていて、足つき性の良さと愛らしいルックスで女性ライダーにも高く支持された。ユニークなカスタマイズを得意とするレガーレが今回製作したのが、前後ホイールを14インチ化したCT125L。「リトル・ハンター」と呼びたくなるオリジナルモデルだ。
変更点は純正の前後17インチから前後14インチにサイズダウンされたホイール/タイヤのみ。これによってシート高が約30mm下がり、足つき性が大きく向上。フロントフェンダーの取り付け位置はあえて変更せず、広がったタイヤとのクリアランスを見せることでオフロードイメージも強調されている。
タイヤ外径が小さくなればフロントフォークのキャスター角が立ち、トレール量は減少する。ノーマルのCT125から乗り換えた直後は自分が意図しているより速く向きが変わること、直進安定性がやや低くなっていることに戸惑ったが、5分も走れば気にならなくなる。逆に再びノーマルのCT125に乗り換えると反応が鈍く感じるほどだ。
小径化によって段差越え性能は若干低下し、最低地上高も低くなるので絶対的な悪路走破性は落ちるが、それは大きな凹凸が続くような場所での話。オフロードで足つきの良さが有利に働く状況の多さを考えると、舗装林道やキャンプ場近辺のダート路面での走破性は互角といったところだろう。
ローダウン化やオリジナルグラフィック仕様を数多く手がけるレガーレだけに、これとは違うコンセプトのCT125カスタムが登場する可能性もあるはず。個人的にはマニュアルクラッチ+5速ミッション仕様とか、極太タイヤを履かせた70年代レジャーバイク仕様も面白いと思う。そんな夢想をするのも、CT125自体の完成度とレガーレのカスタム技術の高さゆえだろう。