東京モーターサイクルショー2022のドレミコレクション・ブースでお披露目された「CB400 SUPER FOUR TYPE-X」は、会場で大きな話題となった。CB400SFをベースに、往年の名車・CBX400Fのスタイルを再現したのだ。しかも年式の異なる2台のCB400SFを用いて、巧みに2つのバリエーションを製作。同社のこだわりがあってこそ成しえた再現度の高さをご覧あれ。文:オートバイ編集部/写真:松川 忍
ドレミコレクションの「着せ替えシリーズ」とは? 憧れに近づけるレストアから、憧れを作ってしまう着せ替え
「少年の頃に憧れたバイクは、その頃は買えなくて、買える頃になったらもう絶版。それってなんだか寂しいなぁ、って思ったのが『着せ替え』シリーズのスタートでした」
そう語るのは、ドレミコレクションの武代表。創業時には、絶版車を海外から輸入販売していたし、絶版名車のフルレストアもあった。それでも、年を追うごとに絶版車価格が高騰し、純正パーツも入手が難しくなってくる。
そこで、入手不可能となった純正パーツをオリジナルに忠実に再生産するうち、その集合体となったのが着せ替えシリーズなのだ。
着せ替えシリーズとは、ドレミコレクションがスタートさせた「現行モデルで絶版車を作る」シリーズだ。ゼファーが現行車の頃に製作したFXとX2スタイル、Z900RSをベースとしたZ1スタイル。憧れの絶版名車を毎日のように乗り回せる!
ドレミコレクション「CB400 SF TYPE-X」(ノーマルスタイル) DOREMI COLLECTION CB400 SUPER FOUR TYPE-X
ノーマルスタイル
キャブ車ベースにCBXスタイルを再現!
ゼファーをベースとしたFXやZ2スタイル、そしてZ900RSをベースとしたZ1スタイルで大成功を収めたドレミコレクションに次の狙いはホンダ車。それも、絶版名車の中でも「超」がつくほどの人気を誇るCBX400Fを再現することだった。
ベースモデルは、中古モデルとしても入手しやすいCB400スーパーフォア。しかしロングセラーゆえ、各年式での仕様変更が多く、着せ替えパーツの取り付けや寸法など、細部の調整で苦労は尽きなかった。
「年式の新しさやベースモデルの入手しやすさを考えて、ベースはキャブ車のNC39Vテック、そしてインジェクション車のNC42VテックREVOとしました」(武代表)
ここで紹介しているのはNC39ベースの「ノーマルスタイル」で、CBX400Fのイメージカラーといえる白×赤としている。
オリジナルモデル:ホンダ「CBX400F」
(1981年)
近年、異常人気と言えるほどの「超」人気絶版モデルが、このCBX400F。もはや中古車市場でも歴代最高ともいえる高騰具合だが、これを気軽に(?)乗れるようにしたい、というのがこのプロジェクトのスタートだった。
ベースモデル:ホンダ「CB400 SUPER FOUR」
(1999年・BC-NC-39)
ノーマルスタイルのベースとなったのは、キャブレター時代の1999年頃のモデル、通称Vテックと呼ばれる年式だ。中古市場に流通もしているし、すでに所有しているCB400SFをカスタムできることも視野に入れている。
ドレミコレクションの着せ替えシリーズで特筆したいのは、大物外装パーツの再現度の高さと、小物パーツの出来のよさ。ウインカーと一体のテールランプなど、まさにCBX400Fだ! フォークボトムケースの飾りラインは、展示車ということでわざわざ再現しているという。
キット内容には含まれないマフラーも現在開発中。写真は当時の大人気マフラー、RPM管をイメージしてるのかも?
ライトステー形状やウインカーの大きさも再現度高すぎ!
取り付けるフレーム形状やエンジンの搭載角、大きさも違うのに、全体のスタイリングのキモとなるタンクもこの再現度!
オリジナルに忠実なカラーグラフィックに、「CBX」の車名は遠慮深く「CB TypeX」とし、ドレミコレクションのネーム入り。
細部は異なるがシート形状や表皮までオリジナルを忠実に再現。後に紹介するカスタムスタイルとは違う形状。