ホンダ「ホーネット・コンセプト」のプロジェクトは着々と進行中?
2021年秋、ホンダモーター・ヨーロッパが、イタリアはミラノで開催されたEICMA 2021で突然「ホーネット・コンセプト」を公開したのは記憶に新しいところ。象徴的なイメージを表現したモックアップだったとはいえ、刺激的なスタイルとパフォーマンスのネイキッドとして人気だった「ホーネット」だけに、ヨーロッパはもちろん日本でも「ホーネットの復活か!?」と多くのライダーが色めき立った。
この春には、この新たな「ホーネット」について、ホンダUKのWebサイトに「ホーネット・コンセプト」の姿と、歴代ホーネットのヒストリーを紹介するページが用意され、ティザー動画も公開。
新しい「ホーネット」のプロジェクトが動いていることをうかがわせた。しかし動画上でスケッチらしきものや、デザイナーや開発者の短いコメントが紹介されている程度で、不完全で断片的な情報のみしか存在しなかった。それだけに、「ホーネット」に関するさまざまな噂が囁かれるようになっていった。
しかし2022年6月6日、今度はティザー動画で垣間見えていた「ホーネット」のデザインスケッチの一部が、完全な姿で公開された。全体的なフォルムは前傾姿勢が目立つ、「ホーネット」の伝統ともいうべきシャープでアグレッシブな雰囲気を受け継ぎながら、2022年の最新モードでリデザインしたというべき、極めて刺激的な仕上がり。
ディテールも具体的で、フレームに関してはトレリス構造をはじめ、構造の異なる数案のスケッチが存在している。エンジンはシリンダーヘッドの形状などから見て、歴代の「ホーネット」たちの搭載していたDOHCの並列4気筒ではなく、すでに噂に登っている並列2気筒・750cc級エンジンのようにも見える。
燃料タンクはスケッチではなく3DCGによるデータ。スタイリングの肝となる複雑な形状が、細部まで検討されていることが分かる。すでに新型「ホーネット」はスケッチを検討する段階ではなく、具体的な形で開発が進行しているということを示しているかのようだ。
文:小松信夫