2022年6月7日、ホンダの新型車「HAWK 11(ホーク イレブン)」のプレス向け先行試乗会が開催された。この記事では試乗速報をお届けしたい。詳しい内容は6月24日発売の『ゴーグル』8月号や、7月1日発売の『オートバイ』8月号でお伝えする予定だ。
文:山口銀次郎/写真:柴田直行、ホンダ

ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

画像: Honda HAWK 11 国内仕様車 総排気量:1082cc エンジン形式:水冷4ストOHC(ユニカム)4バルブ並列2気筒 シート高:820mm 車両重量:214kg 発売日:2022年9月29日(木) 税込価格:139万7000円

Honda HAWK 11
国内仕様車

総排気量:1082cc
エンジン形式:水冷4ストOHC(ユニカム)4バルブ並列2気筒
シート高:820mm
車両重量:214kg

発売日:2022年9月29日(木)
税込価格:139万7000円

新感覚カフェレーサーは楽しさを実感できるパッケージに

CRF1100Lアフリカツイン譲りのフレームとエンジンをベースに、高水準のクオリティパーツで構成された足まわりを組み込み、こだわりと流行を取り入れたスタイリングでロードスポーツモデルに仕立てられたホーク11。

今までにない発想のダイナミックなパッケージは、あまりにもナチュラルにまとまり、そしてカッコ良くキマっているではないか! 性能を追い求めたハード路線でも、雰囲気だけを求めた和み系でもない。遊び心を大切にしながら妥協のない作り込みがうかがえる。そこに成熟しきった大人の余裕の様なものを感じてしまった。

実際に車両を前にすると、「どんな走りをしてくれるのか?」と期待に胸を踊らせてしまうのは必然だろう。

画像1: ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

「攻めの姿勢」の代名詞といえるセパレートハンドルは、トップブリッジ下にセットされ、そのハンドルに干渉しない様に低く構えたロケットカウルとの組み合わせは、純粋なスポーツモデルに通じる構成となっている。低く構えたフロント回りから後方へ上がるストレートフォルムラインを形成するシートは、シート高820mmと高めの設定だ。

この割り切った攻めのスタイリングは、極端な前傾乗車姿勢を強要されそうだが、実際にはさほど窮屈感がなく上体を起こせるほど自由度の高いものとなっていた。

画像2: ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

これは、ロードスポーツモデルに適したフレームのヘッドパイプ位置(フロントフォークを支持する部分)が絶妙に設定されているからだろう。スタイリングを活かす高めのシート高ではあるが、シート前部から絞り込まれた形状で、足を降ろしやすくなっており、数値が示すほど足着き性は悪くなかった。

モダンかつシックなスタイリングと打って変わって、丸型一眼を基調としたメーターを含めたフロントカウル内はシンプルだ。ガラスクロスの張られた模様がわかるカウル内貼りや、溶接跡も味わい深い丸パイプで組まれたカウルステーなど、どことなく80年代のレーサーレプリカマシンにも通じる雰囲気を醸しだし、懐かしく感じてしまう。

画像3: ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

そんなカウルステーから、ハンドルの可動域を避ける様に湾曲しつつニョッキリ張りだす左右ミラーは斬新! ミラーでの後方確認は、前方に広がる視界から視線を落とさなくてならず、少々慣れが必要になる。

画像4: ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

エンジンは、随分前からアフリカツインに何度も乗っていて知っていたつもりだったが、初めて体感するといっていいほど新鮮なフィーリングで戸惑ってしまった。

もちろん味付けや演出は異なるものの、アフリカツインとホーク11とでは車体構成が大きく異なるからなのか、並列2気筒独特の鼓動感やパンチ力にダイレクト感があり、躍動するエンジンを直に抱えているかの様な錯覚に……。2000~3000回転といった低回転域でも粘りのあるチカラを発生させるが、その時の爆発の一発一発の手応えは確かなものとなっている。

画像5: ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

7500回転で出力のピークを迎えるので、1速1速伸びのあるエンジン特性に思われるかもしれない。しかしオーバーリッターならではのトルクで淀みなく速度をノセることができる。高速道路や峠のワインディングなどで不服に感じることはなかった。

ギアは全6速設定なので、ある程度速度をノセてもなお、エンジン低回転でのフィーリングを楽しむことができるのも嬉しい。

画像6: ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

パワーやエンブレ、トルクコントロール/ウイリーコントロールの制御レベルを予めバランスさせた3タイプのライディングモードが設定されており、任意での組み合わせも可能となっている気の利きよう。

さらに、後輪スリップやウイリーを緩和するトルクコントロールも設定でき、それぞれの組み合わせで様々なフィーリングを味わえるといった懐の深さが頼もしい。

ただ、どの組み合わせの設定においても、テイスティで大らかなフィーリングやキャラクターが大きく変わってしまうようなことはない。

画像7: ホンダ「ホーク11」インプレ(山口銀次郎)

最後に。妥協のない足まわりは秀逸なセットとなり、軽快感と落ち着き性を両立させている。ガツガツしない大らかなエンジンとの組み合わせでは、もう少しソフト志向のセットでも良いかもと思ったが、やはりホーク11のカフェレーサーとしての設定においては、本気の足まわりであってこそ! リズミカルに軽快なステップを踏める、そのバランスの良さを体感したからこそ、心底そう思えた。

ホンダ「ホーク11」主なスペック・価格

全長×全幅×全高2190×710×1160mm
ホイールベース1510mm
シート高820mm
キャスター角25°
トレール98mm
車両重量214kg
エンジン形式水冷4ストOHC(ユニカム)4バルブ並列2気筒
総排気量1082cc
ボア×ストローク92×81.4mm
圧縮比10.1
最高出力102PS/7500rpm
最大トルク10.6kg・m/6250rpm
変速機形式6速リターン
燃料タンク容量14L
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・180/55ZR17
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・ディスク

文:山口銀次郎/写真:柴田直行、ホンダ

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