文:石神邦比古/写真:石神邦比古、西野鉄兵
ヤマハ「YZF-R3」実測燃費
今回の総走行距離は423km。給油量は15.44L。実測燃費は27.1km/Lだった。公式に発表されているWMTCモード値※が27.6km/Lなので概ね妥当な数値が出たと思うが、乗り方次第でさらに燃費を上げる余地は多分にあった。タンク容量が14Lなので、計測した数値で換算すると、航続可能距離は379.4km。
ちなみにR25のWMTCモード値は25.8km/Lで、R3の方が若干だがカタログ上の燃費が良い。WMTCモード値を参考にしたR25の航続距離が361.2kmなので、今回計測したR3の実測燃費との差は18.2km。バイク選びの上で一つの判断材料になるかもしれない。
※発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値。
ヤマハ「YZF-R3」ライディングポジション・足つき性
シート高:780mm
ライダーの身長・体重:175cm・60kg
2019年のモデルチェンジでハンドル位置が前モデルに比べ22mm下げられたが、過度な前傾はない。シート高は780mmと前モデルと変わらないが、快適性とスポーツ性の両立を尊重する設定となっている。
169kgの車体は軽く足つきも良好なため、停車時や取り回しでの不安は少ない。
ヤマハ「YZF-R3」通勤・通学での使用に関するオススメポイント
シート
シート前方がしっかり絞り込まれているため、もともとのシート高と相まって足つきはかなり良好な部類に感じられた。停まっては走るを繰り返す通勤・通学シーンでは大きなメリットとなるはずだ。
個人差はあるけれど、肉厚なシートは長時間の走行でもお尻が痛くなりづらい点もグッド。
フェアリング
2019年にエアロダイナミクスを追求し大胆な変更が施されたカウルは優れた空力抵抗を有し、走行風による疲労を大きく軽減してくれた。
特に、試乗した季節はまだ夜も大分冷え込む時期だったが、カウルに守られたコクピット内側は高速道路でも寒さはさほど感じられなかった。冬場の通勤・通学はもちろんだが、ツーリングでも大きな恩恵を受けることができると思う。
バッグ選びに関するオススメ
私は通勤の際にリュックを愛用しているが、スクーターと違いメットインに放り込むなんてことはできないので、2時間も走れば流石に肩が凝った。そんな時に便利だったのが、リュックサックとシートバッグ両方の性能を併せ持つアイテムだ。
写真のバッグはゴールドウィンが販売している「GWM X-OVER(クロスオーバー)リアバッグ 35(税込1万7270円)」。ベルトのバックルを外して肩紐を出せばリュックサックとして使用でき、走行中に背負わなくて済むのでとても便利。もちろん通勤・通学以外にツーリングユースでも役立つはずだ。
ちなみにこれは35Lだが20Lサイズも展開しているので、そちらの方がコンパクトかもしれない。
また、R3はシートバッグのベルトを掛けられる場所が限られるため、リアシートに挟んで固定できるタイプのベルト構造が好ましい。
ゴールドウィン以外にデイトナやタナックス、ドッペルギャンガーなどからも同様のアイテムがラインナップされているため、気になる方はチェックしてみてほしい。
ヤマハ「YZF-R3」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2090×730×1140mm |
ホイールベース | 1380mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 780mm |
車両重量 | 170kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 320cc |
ボア×ストローク | 68.0×44.1mm |
圧縮比 | 11.2 |
最高出力 | 31kW(42PS)/10750rpm |
最大トルク | 29N・m(3.0kgf・m)/9000rpm |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール量 | 95mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70R17M/C(54H)・140/70R17M/C(66H) |
ブレーキ形式(前・後) | 油圧式シングルディスク・油圧式シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 68万7500円(消費税10%込) |
文:石神邦比古/写真:石神邦比古、西野鉄兵