ヤマハの「MAXシリーズ」の末弟となるNMAX。2021年にモデルチェンジを受け、トラクションコントロールやスマホコネクト機能などの最新装備を備えた。実用性の高さとともに上質さにも磨きをかけている。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:国友愛佳

ヤマハ「NMAX ABS」インプレ

画像: YAMAHA NMAX ABS 総排気量:124cc エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ単気筒 シート高:765mm 車両重量:131kg 税込価格:36万8500円

YAMAHA NMAX ABS

総排気量:124cc
エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ単気筒
シート高:765mm
車両重量:131kg

税込価格:36万8500円

メカニズム、走りともに上質になった充実進化

NMAXは、2021年のフルモデルチェンジで、メカニズム、走りともに大きく進化した。サイズはやや大きめだが、上半身を直立させて乗るアップライトなスタイルで、ライポジには余裕がある。大柄なライダーでも窮屈に感じることはないだろう。

「ブルーコア」と呼ばれる水冷OHC4バルブエンジンは、低中速回転域と高回転域で吸気バルブの作動を変えるVVA(可変バルブ)機構を備えているのが特徴。この切り替えは音もショックもなく、感覚的にはシームレス。前モデルは遠心クラッチが繋がる回転数が高めで発進が力強く、高回転域で伸びやかなパワーを発揮する特性だったが、今度の新型は速さはそのままに、全体的にジェントルになった印象。始動時も静かで、小排気量エンジンらしからぬ上質さだ。

エンジンの完成度もさることながら、感心したのは車体の高い剛性感。これは新作のフレームの効果も大きいだろう。多くのスクーターはクイックな切り返しで1テンポ遅れて反応したり、ブレーキングでフロント回りがヨレるモデルが多いが、NMAXは強めにブレーキを掛けながらバンクさせても不安はない。この感覚はTMAXにも通じる「MAXシリーズ」らしいものだ。

トラコンやスマホコネクト機能など、最新テクノロジーも投入され、商品力も大きく高まったが、魅力の核は安心感のある上質な走り。まさに充実進化と言えるだろう。

ヤマハ「NMAX ABS」ライディングポジション・足つき性

シート高:765mm
ライダーの身長:163cm

画像: ヤマハ「NMAX ABS」ライディングポジション・足つき性

高め、かつ手前にセットされたハンドルで上半身が直立状態になるため、見通しが良くて開放感もある。クルージング中はフロアボード前側に足を伸ばせば、リラックスした姿勢も取ることができる。

ヤマハ「NMAX ABS」注目ポイント

画像: アプリ「Yamaha Motorcycle Connect」を使用することでSNS 通知、通話着信など、多彩な情報をメーターに表示可能になった。

アプリ「Yamaha Motorcycle Connect」を使用することでSNS 通知、通話着信など、多彩な情報をメーターに表示可能になった。

画像: シート下のトランクスペースは約23L 容量。フルフェイスを1個収納できるほか、フロントにも大きなポケットを備える。

シート下のトランクスペースは約23L 容量。フルフェイスを1個収納できるほか、フロントにも大きなポケットを備える。

画像: スマートキーシステムはキーフォブを携帯するだけでメインスイッチの操作やシートロック、給油口のロック解除が可能。

スマートキーシステムはキーフォブを携帯するだけでメインスイッチの操作やシートロック、給油口のロック解除が可能。

ヤマハ「NMAX ABS」主なスペック・価格

全長×全幅×全高1935×740×1160mm
ホイールベース1340mm
最低地上高135mm
シート高765mm
車両重量131kg
エンジン形式水冷4ストOHC4バルブ単気筒
総排気量124cc
ボア×ストローク52.0×58.7mm
圧縮比11.2
最高出力9.0kW(12PS)/8000rpm
最大トルク11N・m(1.1kgf・m)/6000rpm
燃料タンク容量7.1L
変速機形式Vベルト式無段変速/オートマチック
キャスター角26゜30'
トレール量100mm
タイヤサイズ(前・後)110/70-13M/C (48P)・130/70-13M/C (63P)
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格36万8500円(消費税10%込)

文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:国友愛佳

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