文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:国友愛佳
ヤマハ「NMAX ABS」インプレ
メカニズム、走りともに上質になった充実進化
NMAXは、2021年のフルモデルチェンジで、メカニズム、走りともに大きく進化した。サイズはやや大きめだが、上半身を直立させて乗るアップライトなスタイルで、ライポジには余裕がある。大柄なライダーでも窮屈に感じることはないだろう。
「ブルーコア」と呼ばれる水冷OHC4バルブエンジンは、低中速回転域と高回転域で吸気バルブの作動を変えるVVA(可変バルブ)機構を備えているのが特徴。この切り替えは音もショックもなく、感覚的にはシームレス。前モデルは遠心クラッチが繋がる回転数が高めで発進が力強く、高回転域で伸びやかなパワーを発揮する特性だったが、今度の新型は速さはそのままに、全体的にジェントルになった印象。始動時も静かで、小排気量エンジンらしからぬ上質さだ。
エンジンの完成度もさることながら、感心したのは車体の高い剛性感。これは新作のフレームの効果も大きいだろう。多くのスクーターはクイックな切り返しで1テンポ遅れて反応したり、ブレーキングでフロント回りがヨレるモデルが多いが、NMAXは強めにブレーキを掛けながらバンクさせても不安はない。この感覚はTMAXにも通じる「MAXシリーズ」らしいものだ。
トラコンやスマホコネクト機能など、最新テクノロジーも投入され、商品力も大きく高まったが、魅力の核は安心感のある上質な走り。まさに充実進化と言えるだろう。
ヤマハ「NMAX ABS」ライディングポジション・足つき性
シート高:765mm
ライダーの身長:163cm
高め、かつ手前にセットされたハンドルで上半身が直立状態になるため、見通しが良くて開放感もある。クルージング中はフロアボード前側に足を伸ばせば、リラックスした姿勢も取ることができる。
ヤマハ「NMAX ABS」注目ポイント
ヤマハ「NMAX ABS」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1935×740×1160mm |
ホイールベース | 1340mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 765mm |
車両重量 | 131kg |
エンジン形式 | 水冷4ストOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 124cc |
ボア×ストローク | 52.0×58.7mm |
圧縮比 | 11.2 |
最高出力 | 9.0kW(12PS)/8000rpm |
最大トルク | 11N・m(1.1kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 7.1L |
変速機形式 | Vベルト式無段変速/オートマチック |
キャスター角 | 26゜30' |
トレール量 | 100mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70-13M/C (48P)・130/70-13M/C (63P) |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 36万8500円(消費税10%込) |
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:国友愛佳