文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
カワサキ「Z250」インプレ(太田安治)
ライダーの意思に鋭く反応するファイター
2代目のZ250は2018年2月にフルモデルチェンジされたニンジャ250がベースのストリートファイター。ポイントは全ての回転域で強化されたエンジン特性で、アイドリング回転のまま発進できる粘り強さを身に付け、普段使いで常用する中回転域ではスロットル操作に対して即座に反応して力強く加速する。これによって発進加速頻度の多い市街地はもちろん、急な上り坂や高速道路走行などでの扱いやすさが格段に向上している。
8000回転あたりからパワーが盛り上がり、1万3000回転までフリクションを感じさせずに軽く吹け上がる高回転特性はニンジャ譲り。各ギアの守備範囲が広く、回り込んだコーナーや峠道の連続ターン、サーキット走行でもコーナリング中のシフト頻度を減らせるのでリズムを崩さずに駆け回れる。
Z250とNinja250のちがい
ニンジャ250と決定的に違うのがハンドリング。ニンジャ250よりもフロント回りが2kg軽く、グリップ位置が高く幅広のハンドルには腕の力と上体の重さを伝えやすいから、ライダーの操作に対して軽快に鋭く反応する。
普段使いでは上体の前傾度が弱くなり、アイポイントが高くなるので見通しが利くし、ギャップ通過時にフロントから突き上げられても手首や肩、首に掛かる負担も少ない。ニンジャ250と比べると上体に受ける風圧が大きくて直進安定性もやや弱まっているが、エンジン振動の少なさ、吸排気音の静かさと併せ、クルージングも実に快適だ。
カワサキ「Z250」ライディングポジション・足つき性
シート高:795mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
ごく軽い前傾姿勢はストリートライディングに最適。着座位置の自由度が少ないように見えるが、伏せ姿勢を取っても窮屈さはない。メインフレームとエンジンの幅が狭いので足つき性はカタログ値以上に良好だ。
カワサキ「Z250」注目ポイント
カワサキ「Z250」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1990×800×1060mm |
ホイールベース | 1370mm |
最低地上高 | 145mm |
シート高 | 795mm |
車両重量 | 164kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 248cc |
ボア×ストローク | 62.0×41.2mm |
圧縮比 | 11.6 |
最高出力 | 27kW(37PS)/12500rpm |
最大トルク | 23N・m(2.3kgf・m)/10500rpm |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24.5゜ |
トレール量 | 92mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70-17M/C 54H・140/70-17M/C 66H |
ブレーキ形式(前・後) | Φ310mmシングルディスク・Φ220mmシングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 61万500円(消費税10%込) |
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝