文:太田安治、小松信夫、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
スズキ「バーグマン200 ABS」インプレ(太田安治)
キビキビとした走りがあらゆるシーンで光る
市街地での俊敏な走りが評価され、ヨーロッパでも高い人気を得ているバーグマン200。2021年にABSが標準装備となり、安心感と高い制動能力を身につけた。
250ccフルサイズスクーターより車体が短く、車重も50kgほど軽いため、駐輪場での出し入れが楽で気軽に乗り出せ、小回りが効くことも見逃せない特徴になっている。
エンジンは199cc。加速重視型の変速セッティングゆえ、高速道路の120km/h区間では8000回転を超え余裕が感じられないが、100km/hなら約7000回転あたりでクルージングは快適。都市高速にはぴったりだ。この設定が最も活きるのは市街地。高回転域を多用するので音と振動が少々せわしないが、交通の流れを楽々リードでき、タンデムや登り坂でのもどかしさもない。
市街地のキビキビ走りを支えているもうひとつの要素が軽快なハンドリング。重心位置の高さと短めのホイールベース、硬めの前後サス設定、高い車体剛性によって、ライダーの操作に素早く反応して向きが変わる。フルサイズとの決定的な違いはこのスポーティな操縦性にあると言っていいだろう。
防風効果抜群のスクリーンと座り心地のいい肉厚シートは雨天や冬場も快適で、満タン航続距離が300kmを超えるからツーリングも楽しめる。実用ユースだけではなく、高速道路走行を含めたツーリングも愉しみたいなら、バーグマンがオススメだ。
スズキ「バーグマン200 ABS」ライディングポジション・足つき性
シート高:735mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
シート高は735mmだが、座面の幅が広く、足着き性に若干影響している。前下がりのシート形状でそれを補っており、足を前側に伸ばして乗車するのが良さそうだ。
スズキ「バーグマン200 ABS」注目ポイント
スズキ「バーグマン200 ABS」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2055×740×1355mm |
ホイールベース | 1465mm |
シート高 | 735mm |
最低地上高 | 130mm |
車両重量 | 165kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 199cc |
ボア×ストローク | 69.0×53.4mm |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 13kW(18PS)/8000rpm |
最大トルク | 16N・m(1.6kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 10L |
変速機形式 | Vベルト無段変速 |
キャスター角 | 27° |
トレール | 93mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/90-13M/C 55P・130/70-12 56L |
ブレーキ形式(前・後) | ディスク・ディスク |
メーカー希望小売価格 | 57万1340円(消費税10%込) |
文:太田安治、小松信夫、オートバイ編集部/写真:赤松 孝