文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:木川田ステラ
ホンダ「PCX160」インプレ(太田安治)
高速道路も活用したシティユースに最適
2021年にPCX150は排気量を拡大し、PCX160になった。高速道路を走れるだけに操縦安定性は気になるところ。PCX150ではフロントブレーキを掛けながらの寝かし込みやバンク中のギャップ通過時など、大きな荷重が掛かると車体がねじれて旋回性が微妙に変化することがあったが、PCX160ではこれが消えた。ハンドリングの重さ、硬さは感じないから、単に剛性を高めたのではなく、ねじれバランスを部位ごとに最適化した結果だろう。
リアタイヤは14インチから13インチに小径化した分、ホイールトラベル量を増加させている。ストローク量は10mmアップし、1サイズ太いタイヤ幅でエアボリュームを増やして衝撃吸収性を上げ、減速帯を通過した際などに感じるリアのドタドタ感を抑えている。
また、フレームの形状変更で、シート下の容量が2L増量したのもポイント。ドラムからディスクへ変更されたリアブレーキは、市街地や峠道で頻繁に使ってもタッチと効きが一定していてコントロールしやすいが、欲を言えばリアにもABSが欲しいところだ。
排気量は156ccで、124ccのPCXとの差は32ccだが、比率で言えば25%ものアップ。全速度域で確実に力強く、登り坂やタンデムでの差は歴然だ。さすがに高速道路の120km/h区間は走行車線をキープすることになるが、都市高速なら充分。通勤通学メインで短区間だけ高速道路を利用する、という使い方にはベストチョイスだ。
ホンダ「PCX160」ライディングポジション・足つき性
シート高:764mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
軽く車体に潜り込むようなライディングポジションはPCXの伝統。フットスペース前側に脚を伸ばし、ホールド性が高いシートバックに腰を当ててのクルージングは快適だ。
ホンダ「PCX160」注目ポイント
ホンダ「PCX160」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1935×740×1105mm |
ホイールベース | 1315mm |
最低地上高 | 135mm |
シート高 | 764mm |
車両重量 | 132kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 156cc |
ボア×ストローク | 60.0×55.5mm |
圧縮比 | 12.0 |
最高出力 | 12kW(15.8PS)/8500rpm |
最大トルク | 15N・m(1.5kgf・m)/6500rpm |
燃料タンク容量 | 8.1L |
変速機形式 | 無段変速式(Vマチック) |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70-14M/C 50P・130/70-13M/C 63P |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 40万7000円(消費税10%込) |
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:木川田ステラ