文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行
ヤマハ「テネレ700」各部装備・ディテール解説
スタイリング
搭載されているエンジンは、270度クランクを採用するMT-07系のパワフルでトルクフルな688cc水冷並列ツインだが、吸排気系をオフロード向けに改良、2次減速比も変更。
軽量・スリムな高張力鋼製ダブルクレードルフレームにアルミ製スイングアームを組み合わせ、ストローク長く良好な動作性も備える前後サスペンションやフロント21インチ・リア18インチ径のスポークホイールにオフロードタイヤを履くことで、一般道はもちろん、砂漠のような過酷なオフロードも苦としない優れた走破性を備えている。
エンジン
「クロスプレーン・コンセプト」によって開発された、MT-07をルーツとする688cc水冷並列2気筒エンジン。持ち前の低中速での豊かなトルクと、高回転の伸びやかさを活かしながら、オフロード向けに吸排気系や2次減速比を最適化。本格的なオフロードライディングでのポテンシャルと、日常的な市街地走行での扱いやすさを両立させている。
マフラー・リアブレーキ
車体のスリム化のためにコンパクトさを重視、オフロード向けに設計されたシンプルなデザインの排気系。リアプレーキは、Φ245mm径の軽量ウェーブローターに1ポットキャリパーを組み合わせている。
フロント 足まわり
インナーチューブ径Φ43mm、ストローク210mmの倒立フロントフォークは、優れた接地感、ショック吸収性を引き出すセッティング。強度バランスを最適化するアルミ鍛造のアンダーブラケット、ハンドルクラウンなどで自然な操舵フィーリングも実現。Φ282mmローターをダブルで装備するブレーキは、オン・オフ切り替え可能なABSも備えている。
リア 足まわり
リアサスペンションは、専用設計のリンク式モノクロスサスペンション。減衰特性とバネ定数、リンクレシオを最適化することで、一般路での快適性とハードな走行での粘り強さを両立した。スプリングプリロード、圧側減衰、伸側減衰を好みや状況に合わせて細かくセッティングできる。
ヘッドライト・スクリーン
スクリーンとヘッドライト周りの一体感を感じさせる、ラリーマシンのようなモダンで機能的なデザインのフロントマスク。LEDヘッドライトは上側2灯がロービーム、下側2灯がハイビーム、下端部にポジションランプという配置。左右を独立して調整可能できる光軸調整ノブも備える。
メーター
強い太陽光の下でも情報を読み取りやすい、白黒のオーソドックスな液晶パネルを採用した多機能メーター。左側から上部にかけてタコメーターをバー表示し、ギアポジションインジケーターを右上に配置。外気温、水温、時計、燃料計などのほか、環境に配慮した走行時に点灯するECOインジケーターも装備。
燃料タンク
オフロードでの優れた運動性能を実現するためのスリムなボディが特徴のテネレ700。それでも燃料タンクは16Lという大容量で、アドベンチャーモデルとして十分な航続距離をまかなうだけの燃料を搭載できる。
シート
ポジションの自由度の高さに加え、ライダーが積極的に動く必要のあるオフロード走行に最適な、純オフロードマシンのようなデザインのフラットシート。シート高は875mmと高めだが、長距離走行での快適性にも配慮。前後別体の2ピース構造で、リアシートは工具を使わずキー操作だけで取り外しが可能だ。
テールランプ
スリムさを追求したボディの中でも、シンプルでシャープなイメージを感じさせるテール後端には、コンパクトなLEDテールランプが埋め込まれている。
ヤマハ「テネレ700」の公式動画
ヤマハ「テネレ700」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2370×905×1455mm |
ホイールベース | 1595mm |
最低地上高 | 240mm |
シート高 | 875mm |
車両重量 | 205kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 688cc |
ボア×ストローク | 80.0×68.5mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 54kW(73PS)/9000rpm |
最大トルク | 69N・m(6.9kgf・m)/6500rpm |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27°00′ |
トレール量 | 105mm |
タイヤサイズ(前・後) | 90/90-21M/C 54V・150/70R18M/C 70V |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 128万7000円(消費税10%込) |
文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行