文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行
ホンダ「400X」各部装備・ディテール解説
スタイリング
最新モデルまでフレームやエンジンに関しては基本的な構成は変わっていないが、当初ホイール径が前後17インチだったが、2019年にフロントを19インチ化して安定性を向上、ブレーキもダブルディスク化しアシストスリッパークラッチも追加。
さらに2022年、フロントフォークが倒立タイプに変更された。オフロードモデル的な要素を取り込んで快適性や使い勝手の良さを実現する独特なクロスオーバースタイルは、ヘッドライトのLED化などでスマートさを増した。
エンジン
排気量399ccの水冷並列2気筒エンジンはDOHC4バルブ、低・中回転で粘りのあるトルク特性とスポーティさを両立。シリンダーの背面側にバランサーを備え、振動を抑えながらコンパクト化も実現。クラッチレバーの操作荷重を軽減、シフトダウン時の過度なエンジンブレーキを抑えるアシスト&スリッパークラッチも装備。
マフラー・リアブレーキ
2気筒らしい歯切れ良いサウンドを放つコンパクトな異型断面ショートマフラーを採用。キャタライザー前後のパイプ体積を大きくして背圧をコントロール、低中回転域でのトルク感を向上。リアブレーキにはΦ240mm径のウェーブディスクを採用している。ブレーキシステムはもちろんABS。
フロント 足まわり
剛性バランスを最適化したインナーチューブ径Φ41mmの日立アステモ製SFF-BP倒立フォークを装着して、優れた路面追従性と同時に上質な乗り心地も実現した。フロントブレーキも現行モデルからブルディスクとなっている。フラットダートのような路面での走破性を向上させるために、19インチ径のフロントホイールも軽量化が図られた。
リア 足まわり
リアサスペンションは分離加圧シングルチューブタイプを採用し、タフな走りに応えられる造り。スイングアームの剛性の最適化も図られた。ホイールのデザインはしなやかに路面変化に対応できる細身のスポークが特徴のスポーティなものだ。
ヘッドライト・スクリーン
高さを2段階調節できる、優れた防風効果をもたらす縦長の大きなスクリーンが目立つシャープなフロントマスクは、眉を吊り上げているようなイメージのLEDヘッドライトによって精悍なイメージに仕上げられている。モデルチェンジでヘッドライトの光量アップも実現。コンパクトなウインカーにもLEDを使用。
メーター
視認性にこだわった液晶デジタルメーター。速度、回転計、燃料計や時計に加えて、瞬間/平均燃費、燃料消費量表示機能、ギアポジション、シフトアップインジケーターや、任意の回転数で点滅設定が行えるタコメーターピークホールド機能まで備えている。
燃料タンク・航続可能距離
燃料タンクの容量は17L、兄弟モデルのCBR400Rと同じ。燃料消費率のWMTCモード値で計算すると、およそ350kmというアドベンチャーツアラーとして十分な航続距離を備えていることとなる。
シート
タンデムツーリングも快適にこなせる、余裕のサイズと優れた快適性を備える一体型シート。シート高は800mmで、兄弟モデルのCBR400Rと比較するとやや高め。
テールランプ
シャープな形状のテールカウルにスマートに埋め込まれたLEDテールランプ。急ブレーキ時にハザードランプを高速で点滅することで、異常をいち早く後続車に伝えることができるエマージェンシーストップシグナルも採用されている。
ホンダ「400X」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2140×830×1380mm |
ホイールベース | 1435mm |
最低地上高 | 150mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 199kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 399cc |
ボア×ストローク | 67.0×56.6mm |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 34kW(46PS)/9000rpm |
最大トルク | 38N・m(3.9kgf・m)/7500rpm |
燃料タンク容量 | 17L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27゜30′ |
トレール量 | 108mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/80R19M/C 59H・160/60R17M/C 69H |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 85万8000円(消費税10%込) |
文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行