文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行
カワサキ「ヴェルシス1000SE」各部装備・ディテール解説
スタイリング
国内仕様の現行モデルは、優れた防風性能を備えるスタイルや、長時間のライディングも快適なポジション、コーナリングランプなどの充実装備、多彩な電子制御デバイスといったツアラーとしての美点はそのままに、最新のスカイフックテクノロジーを採用したストロークの長いショーワ製の電子制御サスを採用したKECS(カワサキエレクトロニックコントロールサスペンション)を装備。
ソロ、タンデム、ドライやウエットといったコンディションも問わずに、快適で楽しいライディングが可能。
エンジン
ニンジャ1000SX譲りの1043cc水冷直4エンジンは電子制御スロットルバルブを装着した最新仕様。スポーツモデルのような力強さに、フレキシブルなトルク、優れたスロットルレスポンスによって、オールラウンドにライディングを楽しめる。バックトルクを抑えつつ、より軽いクラッチレバー操作も可能なアシスト&スリッパークラッチも装備する。
マフラー・リアブレーキ
リアブレーキにはΦ250mmローターとシングルピストンキャリパーを組み合わせている。 スラッシュカットデザインが目立つ右出しの大きなマフラーは、排気コレクターとプレチャンバー内に三元触媒を備え、排出ガスをクリーン化。
フロント 足まわり
フロントフォーク自体は、路面の荒れや不規則な起伏などがある道でもライダーが不安なくコーナリングを行えるように、150mmものロングストロークを確保したΦ43mmのショーワ社製倒立カートリッジタイプ。優れた衝撃吸収性能とロードホールディングを実現する。フロントブレーキは、Φ310mmローターと異径対向4ピストンラジアルマウントモノブロックキャリパーの組み合わせ。
リア 足まわり
リアサスペンションユニットは、ショーワ製のBFRC lite。従来型BFRCよりも軽量・コンパクト化されながら、乗り心地とトラクション性能を向上させたもの。圧側、伸側の減衰力を個別に調整可能だ。前後17インチ径のホイールは、スポーティなストリートライディングに最適なデザインの軽量6本スポーク。
ヘッドライト・スクリーン
アッパーカウルやフェアリングのデザインを幅広な形状として、優れたウインドプロテクション性能を発揮。長時間の走行でも快適性は高い。大型のアジャスタブルスクリーンは、上下45mmの範囲で高さを調整することも可能。 ニンジャを想わせるデザインのデュアルヘッドライトは、大光量のLEDタイプ。
メーター
左側にアナログ式タコメーター、その右側に最先端のフルカラーTFT液晶スクリーンを組み合わせた多機能メーターパネル。液晶スクリーンの表示は2つのモードから選択することができ、走行状況や好みに応じて、必要となる情報を優先的に表示できる。
燃料タンク
燃料タンク容量はニンジャ1000SXの19Lに対し、ヴェルシス1000SEでは2L大きな21Lとされているのがアドベンチャーツアラーらしいところ。美しいペイントは、自己修復採用がありキズがついても目立ちにくいハイリーデュラブルペイントだ。
シート
大柄なボディを活かした余裕のあるサイズのシートで、ライダー側もタンデム側も快適性は高いレベル。タンデムグリップ機能も兼ねるキャリアなど、純正オプションとして用意されるパニアケースやトップケースを装着できるような構造になっている。
テールランプ
テールランプをはじめ、ウインカー、ナンバー灯といった、ヘッドライト以外の灯火類も全てLED化されている。
カワサキ「ヴェルシス1000SE」主なスペック・価格
※はハイポジション
全長×全幅×全高 | 2270×950×1490(※1530)mm |
ホイールベース | 1520mm |
シート高 | 820mm |
車両重量 | 257kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1043cc |
ボア×ストローク | 77.0×56.0mm |
圧縮比 | 10.3 |
最高出力 | 88kW(120PS)/9000rpm |
最大トルク | 102N・m(10.4kgf・m)/7500rpm |
燃料タンク容量 | 21L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27.0° |
トレール | 106mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17M/C 58W・180/55ZR17M/C 73W |
ブレーキ形式(前・後) | Φ310mmダブルディスク・Φ250mmディスク |
メーカー希望小売価格 | 191万1000円(消費税10%込) |
文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行