ドゥカティ「モンスターSP」の特徴
ドゥカティ新型「モンスター」シリーズの3機種目は“SP”
2021年にフルモデルチェンジしたドゥカティのミドル・ネイキッドである「モンスター」は、1993年に登場した初代の印象的なコンセプトを受け継ぎながら、最新スペックの937cc水冷Lツインのテスタストレッタ 11° エンジンに、シリンダーヘッドに直接マウントする構造がパニガーレV4を想わせた軽量でコンパクトなアルミ製フロントフレームを採用。
その先進的メカニズムで実現されたスポーティさに、伝統である獰猛さにあふれる個性的なスタイルが加わって、新世代の魅力的なスタンダードスポーツとしてこれまで以上に注目されている。
そんな「モンスター」には、これまでスタンダードな「モンスター」、上級版の「モンスター+」が存在していた。そして現行「モンスター」3つ目の新たなバリエーションである「モンスターSP」が、9月15日に開催された「ドゥカティワールドプレミア2023・エピソード2」で2023年モデルとして姿を現した。
スタンダードモデルの持ち味であった、スポーティなライディングを磨き上げるだけでなく、さまざまな意味でよりアグレッシブな存在となることを目指した「モンスターSP」。MotoGPを戦うドゥカティ・デスモセディチを想わせる、赤と黒を組み合わせたSP専用のカラーリング&グラフィックの採用でスポーティさを強調した特別な存在であることをアピール。
もちろん走りをグレードアップするために、メカニズム面でも各部に改良の手は及んでいる。フロントフォークは、スポーツランのためにセッティングされた動作性に優れるオーリンズ製のNIX30倒立フォーク。フロントブレーキもブレンボ製のハイグレードなStylemaキャリパーで強化。
さらにリアサスペンションもオーリンズ製に変更。もちろんフロントフォークもリアサスもフルアジャスタブルが可能な仕様だ。またステアリングダンパーも標準で装備された。装着されるタイヤもピレリのディアブロ・ロッソlllから、新しい世代のロッソIVに変更。これらの足回りの改良によって、「モンスターSP」はより軽快で安定感の高いハンドリングを得た。
111hpという最高出力などテスタストレッタ 11° エンジン自体のスペックや、シフトダウン・アップの双方に対応するクイックシフター、完成度の高いスリッパークラッチといった装備も、スタンダードな「モンスター」と同様。スタンダードモデルのサイレンサーに代わって、レーシーな雰囲気満点のテルミニョーニ製サイレンサーを標準装備する。
しかし「モンスターSP」では「スポーツ」「ロード」に新しい「ウェット」を加えた専用ライディングモードを搭載。さらにSPに合わせた設定のローンチコントロールやウィリーコントロールも備えるなど、最新の電子制御デバイスによって高い精度でライディングを支援。
タンデムシート下に積まれているバッテリーは、スタンダードモデルが採用している一般的なものより1.7kg軽量なリチウムイオンタイプを採用。その他のパーツも軽量化を進めた結果、「モンスターSP」の装備重量はスタンダードな「モンスター」よりも2kg軽量に仕上がった。
このように走りに重きを置いた魅力的な存在であるニューモデルの「モンスターSP」。日本導入が気になるところだが、現時点ではその時期や価格などに関する具体的なアナウンスはない。
ドゥカティ「モンスターSP」公式動画
ドゥカティ「モンスターSP」の主なスペック
ホイールベース | 1472mm |
シート高 | 810mm |
キャスター角 | 23° |
トレール | 87mm |
車両重量 | 186kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 |
総排気量 | 937cc |
ボア×ストローク | 94×67.5mm |
圧縮比 | 13.3 |
最高出力 | 111ps/9250rpm |
最大トルク | 9.5kg・m/6500rpm |
変速機形式 | 6速リターン |
燃料タンク容量 | 14L |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・180/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ320mmダブルディスク・Φ245mmディスク |
まとめ:小松信夫