タレントとして、またグラビアや声優等各方面で活躍する平嶋夏海さんは、大のオートバイ好きで知られ、雑誌やTV等のオートバイ関連メディアでも活躍している。そんな平嶋さんはモト・グッツィV7Ⅲレーサーのオーナーで、日々縦置き空冷Vツインエンジンのフィーリングを楽しんでいる。ただ、V7Ⅲレーサーとの出合いは「最悪」の走行環境だったというが、そこからなぜオーナーに至ったのだろうか?
文:平嶋夏海/写真:柴田直行

モト・グッツィ「V7Ⅲレーサー 10thアニバーサリー」との出合い・インプレ

画像: 平嶋夏海(ひらじま なつみ) ブシロードによるDJをテーマにアニメ、ゲーム、声優、ライブなど様々なメディアミックスを展開するプロジェクト「D4DJ」のMerm4id(マーメイド)の瀬戸リカ:CVを担当。また、姉妹誌の月刊オートバイにレギュラー出演するほか、YouTubeチャンネル「はしれ! なっちゃんねる」にて積極的に動画をアップしている。

平嶋夏海(ひらじま なつみ)

ブシロードによるDJをテーマにアニメ、ゲーム、声優、ライブなど様々なメディアミックスを展開するプロジェクト「D4DJ」のMerm4id(マーメイド)の瀬戸リカ:CVを担当。また、姉妹誌の月刊オートバイにレギュラー出演するほか、YouTubeチャンネル「はしれ! なっちゃんねる」にて積極的に動画をアップしている。

国産車との違いで戸惑いつつも攻略するのも楽しさのひとつ

V7Ⅲレーサーとの出合いは、雑誌の企画で試乗したのがきっかけでした。その企画は、ツーリングをしながらキャンプ地を目指すというもので、当日は終日雨といった最悪のコンディションの走行になりました。夜にはその雨が雪に変わるような季節に、初めての乗るバイクなのに極寒で雨という天候、しかも荷物を積まなくてはならないのにセパハン仕様のカフェレーサーで「最悪……」だと、テンションはかなり下がっていました。

しかし、目的地に着く頃には「雨でも辛くなくて、乗りやすい!」と、マイナスのイメージから始まったツーリングもV7Ⅲレーサーのお陰で気負わず楽しく走ることが出来たんです。結果的に印象がとても良く、帰りに他のモデル数台と乗り換えたのですが、その時にV7Ⅲレーサーに乗った人の感想も私と全く同じだったので、私が抱いていた感想が確信に変わったのです。そこから、V7Ⅲレーサーに対して「良いな~」と思うようになったのです。

当時、アッパーミドルクラスのモデルの購入を検討していて、仕事で様々なモデルに試乗する中で、ほぼほぼ購入車両が決まりかけていたんです、他メーカーですが。ちなみに、スーパースポーツは選択肢にはなく、ネイキッドかネオクラシックで、というのは決定事項でした。その後9カ月ほど経ち、試乗したV7Ⅲレーサーが10thアニバーサリーモデルだったということもあり、販売が終了してしまうということを知ったその時点で「買います!」と決断しました。

本当はミドルクラスバイクの購入を考えていて、企画でも「ミドルクラスの乗り比べ」までしていたくらいだったので、今思えばとても良い出合いが出来たかなと思います。見た目的にも派手で、人と被りたくないという考えもあったので、それはイメージ通りだったのかな、と。

元々、モト・グッツィのことを全く知らなかったのですが、その企画でV7Ⅲレーサーを目の前にした時、空冷エンジンでVツイン、シャフトドライブ(今はメンテナンスフリーで気にいっている点です)で車重も軽くはないので若干抵抗はあったのですが、付き合えば付き合うほどモト・グッツィならではの味を楽しめています。

ギアの入り方が独特だったり、工具も手持ちのサイズと少し違ったり、少しイジろうとしてもそれまで触れてきた国産モデルと異なる構造で戸惑ったりするのは事実です。それも慣れですよね、見た目や乗り心地の良さが勝って全然嫌にはなりません。

画像: モト・グッツィ「V7Ⅲレーサー 10thアニバーサリー」との出合い・インプレ

最初は、エンジンを掛けた瞬間やアクセルを煽った瞬間に、縦置きVツインならではの右側への揺れが怖いな~慣れないな~、と乗り始めの1~2カ月ほどはそう思っていました。けれど、その後はすっかり慣れることが出来ました。考えれば当たり前なのですが、右に振られたとしても左に戻ってくるので、実は気にするほどのことではなかったんですよね。

エンジンは750ccもあるので、低回転域のチカラがないというのはないので、下道では3速のギアを使ってのんびりず~っと走れますし、峠に行ってもピーキーでバイクが先行してどんどん行ってしまうというのではなく、自分の意識や操縦に対してちょっと遅れて反応してくれることで一心同体になり丁度良いなと思ったりします。その方が、自分が運転している感があって、安心感が大きいです。グイグイ車両が先行していく様なスポーツバイクはちょっと怖いな、と思ったりします。

車格は、さすがに200kg超えの車重が重いな~と思いますが、荷物を積まなければ許容範囲かな、と。なので、キャンプに行くとなると厳しいかなと……。ただ、シート高がそれほど高くないのは嬉しいです。あと、サイドスタンドを掛けた時にハンドルが自然と切れるほど寝てしまうので、引き起こしが大変なんです。なので、スタンドの付け根を調整して起き気味になるようにしました。

コンスタントにツーリングに出掛けているのですが、暑い時期でも水冷モデル等の排熱がないぶん、エンジン熱などに悩まされることがありません。意外と変な癖がなく、気を使うことのないキャラクターなので、疲れることがないんですよ!

モト・グッツィ「V7Ⅲレーサー 10thアニバーサリー」主なスペック・価格

全長×全幅2185×740mm
ホイールベース1463mm
シート高770mm
車両重量209kg ※走行可能状態(燃料は90%搭載時)
エンジン形式空冷4ストOHV2バルブ90°V型2気筒
総排気量744cc
ボア×ストローク80×74mm
最高出力38kW(52HP)/6200rpm
最大トルク60N・m/4900rpm
燃料タンク容量21L
変速機形式6速リターン
タイヤサイズ(前・後)100/90-18・130/80-17
ブレーキ形式(前・後)320mmシングルディスク・260mmシングルディスク
製造国イタリア
メーカー希望小売価格(消費税10%込)137万5000円

文:平嶋夏海/写真:柴田直行

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