希望したとしてもなかなかCB750フォアに乗る機会に恵まれるものでもなく、実際、22年の二輪専門誌人生で一度もなかった。が、縁というのはあるもので。極上のナナハンに乗るチャンスが突然やってきた!
文:松下尚司/写真:松川 忍/取材協力:バイク王&カンパニー

ホンダ「ドリーム CB750 FOUR」インプレ

画像: Honda DREAM CB750 FOUR (K1) 総排気量:736cc エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ並列4気筒 発売年:1970年(初期型K0は1969年) ナナハンの祖であるCB750FOUR。今回、完璧なセッティング状態で乗る機会を与えてくれたのはバイク王&カンパニー。その整備力の高さを表現するこれら絶版車で試乗会を展開している。

Honda DREAM CB750 FOUR (K1)

総排気量:736cc
エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ並列4気筒
発売年:1970年(初期型K0は1969年)

ナナハンの祖であるCB750FOUR。今回、完璧なセッティング状態で乗る機会を与えてくれたのはバイク王&カンパニー。その整備力の高さを表現するこれら絶版車で試乗会を展開している。

53年前のライダーが受けた感動を今も感じられる驚きと喜び

自分が初めてホンダのナナハンに触れたのはCB750、大型二輪教習の教習車だ。今回、CB750フォアに乗ったことで、ちゃんと乗りやすさは後継モデルにも受け継がれていたのだなということを実感した。

つまり、CB750フォアはそれほど乗りやすかったのだ。もちろん、このくらいの旧車となると車両コンディションで大きく変わるが、今回のCBは間違いなく極上車。力強く回るエンジン、ラフな操作にも応えてくれる車体、峠にこだまする野太い4気筒サウンド。50数年前のライダーがCB750フォアに乗ることで感じたであろう驚きと喜びを味わわせてくれた。

もちろん、ブレーキやサスペンションなど、現代的なバイクに勝てるはずもないのであるが、旧車に乗るとはそういうことではない。ただ、30分も乗っていると、旧車であることを忘れさせる瞬間が訪れる。パーツ性能ではなく、車体全体のバランスの良さで乗り手に応えて、気持ち良く走らせてくれる。50年以上前のバイクとは思えない、ある種の感動があった。

画像: ホンダ「ドリーム CB750 FOUR」インプレ

ホンダの4気筒ナナハン、最後のCB750は生産終了となって久しく、最後まで頑張っていたスズキGSX-S750も残念ながら生産終了。「そういう時代だからもう続けられない」と言われるのは仕方のないことなのかもしれないが、53年前にホンダがCB750フォアを誕生させた時も量産車としては初めて尽くしだったわけで。きっと開発陣は「できるはずがない」と何度も言われたのではないだろうか。それでも、作り上げ、さらに、50年以上経った今でも特別な存在として、こうやって残っている。

今回、高コンディションのナナハンに乗れたからこそ、時代を変える1台、今後50年乗り続けられる1台が誕生することを期待したいと思う。他人事だから言えるのだが、開発者の皆さん、感動できるオートバイ、期待してます。

画像: 量産車世界初の並列4気筒エンジン、4連キャブレター、4本マフラー。200km/hの最高速とゼロヨン12秒4の超高性能で世界の頂点に立った。今見ても美しい。

量産車世界初の並列4気筒エンジン、4連キャブレター、4本マフラー。200km/hの最高速とゼロヨン12秒4の超高性能で世界の頂点に立った。今見ても美しい。

画像: 今回、試乗をさせてもらったオートバイ編集長まっつんです。もちろん、世代的にバイクを乗り出した頃には既に特別なオートバイだったので、こんなに状態の良いナナハンに乗れるなんてこの仕事してて良かった! 最初はビビってましたけど、想像以上に乗りやすくてかなり楽しんじゃいました!

今回、試乗をさせてもらったオートバイ編集長まっつんです。もちろん、世代的にバイクを乗り出した頃には既に特別なオートバイだったので、こんなに状態の良いナナハンに乗れるなんてこの仕事してて良かった! 最初はビビってましたけど、想像以上に乗りやすくてかなり楽しんじゃいました!

文:松下尚司/写真:松川 忍/取材協力:バイク王&カンパニー

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