文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
カルド「スピリット」「スピリットHD」テスト&レポート

Cardo SPIRIT / SPIRIT HD
一台分のセット内容。挟み込みタイプと貼り付けタイプのマウント、ジェット用とフルフェイス用のマイクが同梱されている。
税込価格:SPIRIT 1万4900円 / SPIRIT HD 2万1900円
ソロユース、タンデムユース向きの低価格帯インカム
ライダー用インカムは多人数での同時通話が可能な仕様と、ソロまたはタンデム向け仕様の二極化が進んできた。ライダー用インカムで18年の歴史を持つカルド社が新発売した2機種は後者。機能を絞って使いやすさと低価格を実現している。
同社の豊富なラインアップの中で、最も低価格なのがスピリット。接続台数は2台、最大通信距離約400m、最大通話時間が約10時間。上位機種に比べると数値的には見劣りするが、2台でのツーリングかタンデムユースなら実用上、まったく不足のない性能。激安インカムとは比較にならない信頼性も備えている。
スピリットと同じ筐体にFMラジオ受信機能をプラスし、音楽再生に適したΦ40mmの高音質大型スピーカーを採用しているのがスピリットHD。接続台数2台は同じだが、通信距離は約600m、通話時間も約13時間と長くなっている。
2機種とも各種設定や操作をスマホ上で行える「カルドコネクトアプリ」に対応しているから、インカム初心者でも説明書を持ち歩くことなく使え、本体スイッチもシンプルで操作しやすい。本体が軽量(35g)なこと、20分の充電で約2時間使えることも見逃せないポイントだ。
価格差は6000円だが、2台で使うならその2倍。スマホアプリでラジオを聴くことも考え、FMラジオの必要性を検討して選ぼう。

スピリットのスピーカーはΦ32mmで、音楽再生音質を追求したスピリットHDのスピーカーはΦ40mm。購入前に装着するヘルメットのイヤーホールの大きさをチェックしておこう。

カルドコネクトアプリはiOS、アンドロイドに両対応。スマホ画面上から各種設定/操作が行える。

スピリットHDはFMラジオ受信機能付き。自動プリセット機能で周波数設定もワンタッチだ。

テスター太田安治の欲張りリクエスト
カルド製品が世に出た18年前からほとんどの機種を試してきたが、操作性の良さとカタログ数値以上の性能は変わらずに受け継がれている。あとは昨今の円安によって価格が上がらないことを願うのみです。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海