日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな知る人ぞ知るモデルをフィーチャー。今回は台湾ヤマハのちょっと変わったデザインをしたスクーターをピックアップ!
文:小松信夫

何かに似ているようで、何にも似ていない不思議なデザインの125ccスクーター

前回のホンダSH350iに続いて、日本では顧みられないモデルシリーズです。今度はですね、日本向けにも「ジョグ125」とか「シグナス・グリファス」とか「X FORCE」とかの人気モデルを生産・供給してる、台湾ヤマハの125ccスクーター「Limi」です。私は存在を意識したことなかったよ、このモデル。台湾でのみ販売されてるらしい。

画像: YAMAHA Limi 総排気量:124cc エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 シート高:755mm 車両重量:97kg

YAMAHA Limi

総排気量:124cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:755mm
車両重量:97kg

色気というかスポーティさというか、そういう部分はどっかに置いてきた感じの、シンプルな直線基調なデザインの「Limi」。最も派手なレッドでコレですからね。微かに先代シグナスX風味を感じるけど、ちょっとホンダの50ccスクーターの「ダンク」にも似てるか? うーん、やっぱり方向が違う。

画像1: 何かに似ているようで、何にも似ていない不思議なデザインの125ccスクーター

個人的に「Limi」には、なんか文房具的な手触り感じるんだけど? 台湾でのキャッチコピーは「揮別標籤,自成一格」、直訳すれば「レーベルに別れを告げ、自分のスタイルになる」。多分、シンプルなスタイルだから、乗り手が自分のスタイルを表現できる、ということかな。

画像: ヤマハ Limi(2017年モデル)

ヤマハ Limi(2017年モデル)

そもそも「Limi」が登場したのは2017年、その初代モデルがコレ。ちなみに初代は115ccですね。なんというか、こちらの方がデザイナーが描いたオリジナルコンセプトに近いんでしょうけど、その分アクが強いというかなんというか。「マグザム」から連なるモチーフがある…と思うのは考えすぎ? 2022年モデルで今のスタイルになったんですけど、コレをみると現行モデルは大分丸くなったんだなぁ、という印象。

画像2: 何かに似ているようで、何にも似ていない不思議なデザインの125ccスクーター

ヘッドライトなどの灯火類にLEDを使うことで、スマートでシンプルなスタイリングを実現したことをアピールしてます。

画像3: 何かに似ているようで、何にも似ていない不思議なデザインの125ccスクーター

「自造時尚 車身美學」は、「シンプルで緊張感のあるデザインで、自分らしいスタイルに」とかいう意味でしょうか。で、全体的に低くデザイン、前後10インチ径のホイールってこともあってシート高755mmで足着き性の良さも重視しているよ、というのが「極佳足着性」ってことですな。

画像4: 何かに似ているようで、何にも似ていない不思議なデザインの125ccスクーター

フロントのインパネに設けられた給油口とか、蓋付きの充電用USBポートとか、使い勝手の良さは、長年スクーターを作ってる台湾ヤマハらしいところ。エンジンだって空冷だけど高効率なブルーコアエンジンを搭載、「平均燃費58.1km/L」だそうで燃費も良いし。フロントにディスクを備えるブレーキはCBSだよ。

画像5: 何かに似ているようで、何にも似ていない不思議なデザインの125ccスクーター

いろんな状況の変化で、日本でもシティコミューターの本流はかつての50ccスクーターから、今や125ccスクーターへ移りつつあるわけですが。こういう「Limi」のような質実というか、無印良品的な125ccスクーターが日本でも受けるかも? あれ、それが今度出る「ジョグ125」なのか? 「Limi」は台湾の市場へ特化した結果こうなったってこと? ううむ、マーケティングって難しいなぁ。

文:小松信夫

This article is a sponsored article by
''.