ヤマハ「テネレ700」「テネレ700ラリーエディション」の特徴
カラー液晶メーターと3モードABSを新たに採用
ヤマハ「テネレ700」は2019年にデビュー、本格的なオフロード走行に耐えうるラリーレイドマシン的なスタイリング、堅牢な造りのボディやストロークの長いサスペンション、MT-07系の力強くコントローラブルな690cc水冷並列2気筒エンジンの組み合わせによるオールラウンドなアドベンチャーモデル。アクラポヴィッチ製マフラーやスタンダードより強固なアンダーガードを標準装備する上級モデル「テネレ700 ラリーエディション」と合わせ、これまで4万台以上を販売してきた。
今回発表された2023年モデルの「テネレ700」と「テネレ700 ラリーエディション」では、定評のあるエンジンや車体の基本構成などはそのままに、アドベンチャーモデルとしての完成度を高めるためのアップグレードと改良が施された。
大きく変わったのは、新しい縦長5インチサイズのTFTカラー液晶メーターが装備されたこと。ライディングする状況に合わせて2つの画面表示モードを選択できるこのメーター、「Explorer」モードは、バーグラフ式のタコメーター表示中心のデザインで、ライダーがダート走行に求められるトルクを維持することに集中できる。もう一つの「Street」モードでは、アナログ表示風のなじみやすいデザイン。
どちらの表示モードも、分かりやすいアイコンと警告灯を巧みに組み合わせてあり、ライダーは道路状況や前方を走る車に集中しながら必要な情報を得ることが可能。また、ABSの設定などにも活用される。
加えて、MyRide アプリをインストールしたスマートフォンとBluetooth接続によって連携するための通信制御ユニットも新たに装備。アプリを起動すると液晶メーター上で電話、電子メールなどの着信通知を確認したり、アプリを介して走行中のデータ確認、走行ルートの追跡などが可能。データをSNSで共有したり、他のライダーと比較したりもできる。
従来の「テネレ700」のABSシステムは動作オンまたはオフの選択のみが可能だったが、今回発表された2023年モデルでは3モードABSに進化。この改良されたシステムは、ABSの動作を舗装路走行向けの前後輪オン、グリップが一定しない中程度のオフロード走行向けな前輪オン・後輪オフ、ハードな条件のオフロード走行に適している前後輪オフの3モードから選択ができる。
また新たに、純正オプションのクイックシフターシステムを取り付けるための配線も追加。
その他には、新しいフロントブレーキレバー、12V充電用USBポート、コンパクトなLEDウインカーも新しく装備。「テネレ700」のみだが、ヨーロッパの免許制度に合わせ、A2ライセンス向けに最高出力を制限した35kWバージョンも用意された。
ヤマハ「テネレ700」「テネレ700ラリーエディション」のカラー
2023年モデルの「テネレ700」のボディカラーは、いずれも新色のアイコンブルーとテックカモの2タイプ設定。
「テネレ700 ラリーエディション」は、従来モデルから引き続きヘリテージホワイトの1タイプのみの設定となっている。
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ヤマハ「テネレ700」「テネレ700ラリーエディション」の公式動画
ヤマハ「テネレ700」「テネレ700ラリーエディション」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2370×905×1455mm |
ホイールベース | 1420mm |
シート高 | 875mm |
キャスター角 | 27° |
トレール | 105mm |
車両重量 | 204kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 689cc |
ボア×ストローク | 80×68.6mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 73.4PS/8750rpm |
最大トルク | 6.8 kg-m/6500rpm |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 90/90-21・150/70R18 |
ブレーキ形式(前・後) | φ282mmダブルディスク・φ245mmディスク |
まとめ:小松信夫