70年代の車両が時代の流れに対応しつつ、現在に至るまで販売されていたという奇跡的存在のSR400。フューエルインジェクション化や蒸発ガソリンの大気排出を抑えるキャニスター追加など、本来のシンプルな姿のままではなかったものの、紛うことなきSR400であり現代のモデルでは生み出せない世界観がある。
 
残念ながら、この2021年のファイナルモデルの登場により、誕生から40年以上の歴史に終止符が打たれることとなった。販売終了を惜しむファンの多さが伺える様に、店頭では発売即プレミアムモデルとなり、価格が異常高騰していたのは記憶に新しいと思う。そんなSR400を通勤の相棒として1カ月付き合ってもらった。
文:山口銀次郎/写真:西野鉄兵

ヤマハ「SR400ファイナルエディション」足つき性

シート高:790mm
ライダーの身長・体重:177cm・82kg

画像: ヤマハ「SR400ファイナルエディション」足つき性

スペック上シート高は790mmとあるが、前後のショックの沈み込み大きく、体重をのせると身長177cmの筆者では両足かかとベッタリで膝が少し曲がる感じの足つき性。

ヤマハ「SR400ファイナルエディション」各部装備・ディテール解説

ヘッドライトまわり

シンプルな表情を演出するヘッドライトはガラスタイプを用いる。ウインカーも大型の丸型タイプを採用。各部のメッキ処理が映える構成といえよう。


エンジン

空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒のエンジンは不変のアイデンティティ。FI化や、蒸発ガソリンの大気排出を抑えるキャニスターや各種センサー追加されようとも、SRらしさはエンジンに集約されている。エンジン始動方式はキックスターター(一応明記)。


フロント 足まわり

Φ35mのインナーフォークにフォークブーツを装備する正立タイプフロントフォーク。ブラックアウトした2ポットキャリパーと、Φ298mmディスクローターの組み合わせのフロントブレーキ。


画像: ヤマハ「SR400ファイナルエディション」各部装備・ディテール解説

メーター

必要最低限のインジケーターランプを備えるものの、左に速度計、右に回転計を配置するシンプルなメーターまわり。燃料計はないが、燃料残りが少なくなると燃料インジケーターランプの点灯で知らせてくれる。


燃料タンク

燃料ポンプを追加するなどし、SR400らしい形状を最後まで保持。燃料タンク容量は12L。シンプルでメッキ加工が美しい分離タイプの燃料キャップはキーロックを設ける。


シート

完全フラットなタンデム一体型シート。個人的にはライダーの自由度が高く、リュック程度の積載に適したサイズなので使い勝手が良かった。シート後端を大きくなぞるタンデムバーには、左右2カ所ずつ荷掛けフックを持つ。

ヤマハ「SR400ファイナルエディション」主なスペック・価格

全長×全幅×全高2085×750×1100mm
ホイールベース1410mm
最低地上高130mm
シート高790mm
車両重量175kg
エンジン形式空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
総排気量399cc
ボア×ストローク87.0×67.2mm
圧縮比8.5
最高出力18kW(24PS)/6500rpm
最大トルク28N・m(2.9kgf・m)/3000rpm
燃料タンク容量12L
変速機形式5速リターン
キャスター角27°40′
トレール量111mm
タイヤサイズ(前・後)90/100-18M/C 54S・110/90-18M/C 61S
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・ドラム
メーカー希望小売価格60万5000円(消費税10%込)

文:山口銀次郎/写真:西野鉄兵

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