CG:宮窪伸治
※本記事は月刊『オートバイ』2022年12月号に掲載されたものをWEB掲載用に再編集したものです。
ストリートで楽しめる「ベストバランスSS」!
国内では2022年にYZF-R7が発売されたばかりだが、新たに兄貴分としてYZF-R9が加わる、という噂をキャッチ! 名前からご想像できる通り、R9はMT-09をフルカウルスポーツに変更したモデルのようだ。
YZF-R7は、MT-07の足回りを倒立フォークにするなど強化。さらにセパレートハンドルのスポーティなライディングポジションにすることで、基本を変えずにスーパースポーツ化を果たしたモデル。これまでとは全く異なるアプローチだったが、評価は高く、ヤマハはおそらく、R9でも同様の手法を実践することだろう。
そして、将来的にYZF-R9は、ストリートで楽しむスーパースポーツシリーズの最上位として位置づけられる可能性が高い。現在のYZF-Rシリーズの旗艦、YZF-R1は現行型以上に進化はしない模様なので、R9の果たす役割は大きそうだ。
ちなみに、発表が予想される2023年は、くしくも初代のR1が誕生したYZF-Rシリーズ25周年目の年。新たな門出になりそう、ということで、予想CGも初代R1カラーにしてみたが、いかがだろうか?
3気筒888cc搭載…ということはMoto2マシンより高性能!?
2022年のR7登場で、ヤマハのプラットフォーム戦略は完成に至ったと言えるだろう。ヤマハは、2014年にMTシリーズをリリースした際に、これを皮切りに様々な機種を発売することを公表していたのだ。その第2弾となったのは、MT-07をネオクラシックカスタムにイメージチェンジしたXSR700で、2015年に欧州で発売。この後、2020年のテネレ700が加わり、2022年のYZF-R7でシリーズラインアップが出揃ったと言えるだろう。
ヤマハは、同一プラットフォームで、ネイキッドスポーツ/ネオクラシック/スーパースポーツの3車を揃える横串連携の戦略を推進しており、海外モデルでは125ccと150ccクラスでもこれを推進している。
そして、いよいよ2023年には、MT-09ベースのYZF-R9が発表され、2024年には発売されるだろう。予想されるその姿は、R7のようにM字ダクト内にバイファンクションヘッドライトが設置され、シリーズ共通のイメージを踏襲しているようだ。また、搭載する並列3気筒エンジンはMT-09ベースで120PSを発揮することから、パフォーマンス的にも生産終了したYZF-R6の領域をカバーすることもできるだろう。
新型MT-09SPベースなら戦闘力は高い!
YZF-R9のベースになると思われるMT-09は、2021年のフルモデルチェンジで大幅な性能アップを果たしている。シャシーは、フレームとスイングアームで従来比2.3kg、前後ホイールで700gの軽量化を達成。さらに自社開発の小型IMUを採用し、バンク角も反映したトラクションコントロールやスライドコントロールなどより高度な電子制御も導入。R9でもこれらを活用する可能性は高いだろう。
YZF-R9は2023年のEICMAで発表され、2024年には市販されるだろう、と欧州ではもっぱらの噂だ。続報が入り次第、本誌でも随時紹介していく予定なので、続報を楽しみに待っていて欲しい。