文:中村浩史/写真:折原弘之
ドゥカティ「パニガーレV4 S」ライディングポジション・足つき性
シート高:850mm
ライダーの身長・体重:178cm・80kg

腰高でハンドルが低いライディングポジションはハンドル位置が近いとはいえ、やはり強烈なポジション。足着きは写真の178cmライダーでも足裏半分くらい。シートが滑りやすく幅広で体重移動がしやすかった。

ドゥカティ「パニガーレV4 S」エンジン解説

世界最強のデスモセディチ・ストラダーレ
ドゥカティ量産市販モデルに初めて搭載された、V型4気筒エンジン。90度のバンク角を持つエンジン、ドゥカティ独自の「デスモドロミック」バルブドライブ(=バルブスプリングを持たない、カムシャフトによる強制開閉構造)を持ち、1103ccの排気量。
2022モデルでは1/2/6速のギアレシオがロング寄りとなり、1/2速ではシフトダウン時の回転上昇を抑え、6速は最高速アップ。このパワーをフル/ハイ/ミディアム/ロー4段階のパワーモードが選択でき、フルモードではパニガーレ過去最強のパワーデリバリーに設定されている。上写真のようにメインフレームというよりは、V4エンジンにフロントフレームを介してフロント回りを連結、エンジンにリア周りとシートレールをマウントしている構造となっている。
ドゥカティ「パニガーレV4 S」各部装備・ディテール解説

V4Sの電子制御に関しては①ABS ②トラクション ③ウイリー ④スライド ⑤エンジンブレーキ ⑥ローンチ ⑦クイックシフト ⑧電子制御サスほかが設定可能。もちろん、項目ごとに選択できるが、レースA/レースB/スポーツ/ストリートの4種類のプリセット値で走行、そこから細かいセットに進むといい。今回サーキットでは「スポーツ」モードで走行。電子制御サスはダイナミックモードで、スロットル開け不足によるバネレート高い感がありました。

車体下のチタン製プレチャンバーから左右に排出されるマフラー。排出口のダストカバーがまるでレーシングマシン!

ブレンボ製モノブロック4ピストンキャリパーにΦ330mmローター、オーリンズ製電子制御フォークを採用。V4はショーワBPF。

リアサスはオーリンズTTXの電子制御式でプリロードは手動調整もできる。ひとり乗り専用のため、バネレートは高めに感じた。

マルケジーニ製アルミ鍛造ホイールに、ピレリ・ディアブロスーパーコルサSPの組み合わせ。リアブレーキはΦ245mmローターを採用。

ウイングレットは走行風で動的フロント荷重を増やす役割で、50〜60km/hでも体感できる。写真はハイビーム点灯時。

肉抜きトップブリッジに、フォークトップには電子制御用のケーブルが連結される。V4Sはステアリングダンパーもオーリンズ製。
ドゥカティ「パニガーレV4 S」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | NA |
ホイールベース | 1469mm |
シート高 | 850mm |
車両重量 | 195.5kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒 |
総排気量 | 1103cc |
ボア×ストローク | 81×53.5mm |
圧縮比 | 14.0 |
最高出力 | 158.5kW(215.5PS)/13000rpm |
最大トルク | 123.6Nm(12.6kgf・m)/9500rpm |
変速機形式 | 6速リターン |
燃料タンク容量 | 17L |
ステアリングヘッド角度 | 24.5° |
トレール | 100mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・200/60ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ330mmダブルディスク・Φ245mmディスク |
メーカー希望小売価格 | 368万3000円(消費税10%込) |
文:中村浩史/写真:折原弘之