文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
台数限定の販売も多いので購入タイミングは要注意!
サーキット走行専用にラインアップされ、公道走行不可なモデルが「レースベース車」あるいは「レーサー」と呼ばれるモデルたち。基本的にはナンバーの習得ができないモデルたちなので、「ツーリングもサーキット走行も楽しみたい」なんて人には向かないが、バイクを運ぶ車(トランポ)もあるし、レースや練習走行を思う存分楽しみたいライダーにとっては、仕様や価格、装備品などのメリットも大きい。
たとえばホンダ・グロムのようなモデルならミニバンにも積載可能だし、排気量が大きいモデルと比べてパーツ代などもお手頃なので、モータースポーツの最初の一歩としても有効なんです。
ホンダ「グロム」(レースベース車)
公道用の新型グロムがフルモデルチェンジされたタイミングで、2021年から発売開始となった新型「GROMレースベース車」。前モデルからの変更は5速化とエンジン出力のアップなどが挙げられる。ちなみに写真(上)のモデルは、HRCサービスショップのひとつである、アイ・ファクトリーの仕様となっています。
グロム以外の注目モデルを紹介!仕様の違いは様々
公道走行可能な、多くのバイクでサーキット走行をしようと思った場合、ミラーを取り外し、ライト類をテーピングするなど、意外と手間がかかるんですよね。
ですが、レースベース車やレーサーモデルなら、それらの手間を省けるだけでなく、サーキット走行に最適化されたECUが標準装備されていたり、エンジンや足まわりが変更になっていたりと、よりサーキットを速く楽しく走れる仕様になっていることが多いんです。また、レースベース車は購入するHRCサービスショップによって仕様が異なることも多いので、逆に言うと選択肢が豊富なのも魅力のひとつ。
また、HRCではグロム、NSF100、CBR250RRなどのワンメイクレースも豊富に開催しているので、ノウハウ収集の場としても、スキルアップの場としても有効活用できること確実です。
ただし、レースベース車は割り切って選ぶなら最高の選択肢ですが、頻繁にサーキット走行しようと思ったら、それなりに用意すべき物もありますし、決して万人向きの選択肢では無いってことも付け加えておきますね。
ホンダ「CBR250RR」(レースベース車)
公道仕様の「CBR250RR」からレースに不要な保安部品などを取り外し、専用のECU、新型エキゾーストパイプ、クイックシフターやレース用ワイヤーハーネスを装備。HRCサービスショップではカウル、サイレンサー、ステップを組み込んだ後、販売されている。
ホンダ「NSF250R」
「レースベース車」とは異なり、純粋なレーシングマシンとして発売されているのがNSF250R。エンジンはレーシングマシン向けに設計された水冷4スト単気筒の250cc。新設計のフレームやスイングアーム、軽量アルミ製タンクなどを採用し、完成車の価格は149万500円。エンジン単体は73万7000円となっています。
ホンダ「NSF100」
未来のレーシングライダーを目指すキッズライダーはもちろん、大人のライダーでも愛好者が多い本格レーサーがNSF100。エンジンはかつてエイプ100やXR100モタードなどにも使用されていた空冷4スト単気筒、通称“縦型”エンジンを搭載し8.4PSを発揮。ミニバイクコースではグロムとNSF100でバトルしている風景をよく見かけます。ちなみに、2018年6月生産モデルから新型メーターを採用している。完成車の価格は51万7000円。
ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」(レースベース車)
ED仕様の公道走行不可車両が、他のレースベース車と同様にHRCからサービスショップに供給され、サービスショップ独自のマフラーやカウル、バックステップ等を装着しコンプリートマシン(レース完成車)として販売。そのため、価格や仕様はショップによって異なる。
ホンダ「CBR600RR」(レースベース車)
公道仕様のCBR600RRから不要な部品を外し、HRCのKITパーツ(ECU、ハーネス、前後サスペンション、フロントブレーキ板厚ディスク)を装着。それに加えて、サービスショップ独自のパーツを装着してコンプリート車両として販売される。
ホンダのレースベース車の購入&相談は、HRCサービスショップへ
レースベース車、レーサーの購入や相談は、対応していないバイクショップも多い。そんな時に頼りたいのがHRCの認定した正規取扱店「HRCサービスショップ」。HRCの二輪製品の販売やメンテナンスや、走りに合わせたセッティングまで対応してもらえる。
また、補修パーツの手配にも対応してもらえるので、今回紹介したモデルについて詳細を聞きたい場合は、近所のHRCサービスショップへ行ってみよう。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸