文:中村浩史/写真:松川 忍
ヤマハ「SRX600」ライディングポジション・足つき性
シート高:760mm
ライダーの身長・体重:178cm・80kg
本文中でも触れたが、この頃の市販モデルは足つき性がよく、SRXもシート高は760mmと、身長160cmもあれば足つきに心配はなかった。当時のロードモデルは、タイヤやサスペンションの性能が現代ほどではなく、思い切ってフロント荷重できず、リア車高も低いのが当たり前だった。
ヤマハ「SRX600」各部装備・ディテール解説
SRX600ヒストリー
SRX600(1985年)
1985年4月に発売された初期モデルのSRX600。空冷単気筒というエンジン形式以外は、なにもかもSRとは違う新世代スポーツシングルとして、中型免許枠の400cc、大型免許枠の600ccが併売された。アルミフレーム、フルカウル、水冷4気筒エンジンが当たり前だった1980年代中盤に、この異色の空冷シングルは、当初の予定を大きく上回る販売台数を達成する大ヒットモデルとなった。
SRX600(1988年)
ホイールデザインを変更、ダブルディスクを大径シングルとするなど、マイナーチェンジされた2本サス最終モデルがこれ。18インチホイールは17インチに変更され、写真の最終モデルではラジアルタイヤも標準装備。
DOHCの高回転よりも常用回転域の力強さを狙って、あえてDOHCとせずSOHCヘッドを搭載したSRX400/600。後期型ではセルスターターを搭載し、デジタル制御のフルトランジスタ点火を採用。400は33PS、600は42PSをマークしていた。
後期型いちばんのトピックは2本サスを排してモノクロスサスとしたこと。フレーム、スイングアームも新設計となったものの、重量は+4kgに留まっていた。
ヤマハ「SRX600」主なスペック
※1990年モデルのスペック
全長×全幅×全高 | 2090×720×1045mm |
ホイールベース | 1425mm |
最低地上高 | 140mm |
シート高 | 760mm |
乾燥重量 | 149kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 608cc |
ボア×ストローク | 96.0×84.0mm |
圧縮比 | 8.5 |
最高出力 | 42PS/6500rpm |
最大トルク | 4.9kg-m/5500rpm |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 24゜35′ |
トレール量 | 92mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70R17・140/70R17 |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
発売当時価格 | 55万9000円(消費税抜き) |
文:中村浩史/写真:松川 忍